2年程前に高校時代の友人が、千歳船橋でBarを開店しているのを知りました。
それ以来、月一回程度のペースでその友人のやっているBarに通って、飲んだことのなかったシングルモルトのスコッチやアイラ・ウイスキーについて、うんちくと共に色々と教えてもらっています。
高校時代は、マスターとは同じクラスになったことは無かったものの、マスターは野球部、私は柔道部と、お互い運動部に所属し、共通の友人も何人も居たことから、一緒に短期のバイトをしたり、結婚式の二次会にも来てもらいました。
学生時代は知らなかったのですが、マスターは本好きで映画好きでもあり、洋画ばかり見ていた私とは違い、かなりの日本映画マニアだったらしく、中高生の頃に
ATG映画などを見る為に、新宿や池袋の映画館に通っていたそうです。
今月の初めに千歳船橋のBarに出掛けた時に、「
タクシードライバー」の主演が
ロバート・デ・ニーノだったか
アル・パチーノだったかと言う話しになりました。
結局は洋画ファンだった私の記憶通り、
ロバート・デ・ニーノ主演が正解だったのですが、デビュー当時の
アル・パシーノが出演した映画の話題になり、その時に思い出したのが「セルピコ」です。
中学生の頃は自称“映画小僧”だった私は、殆どの話題映画は観ていると思っていたのですが、「
セルピコ」はまだ観ていなかったのです。

中学生の頃、コレクションしていた「
セルピコ」のチラシ。
直ぐに
TSUTAYAに出掛けて、マスターお薦めの「
竜馬暗殺!」と「
セルピコ」を借りてきました。
40年も昔に撮られた映画です。 名作とは言え、テンポや間の取り方が今の映画とは違うので、なんとなく観辛い映画が多い中、「
セルピコ」は、実話を元に作られているので、昨今の映画の様に、やたらと人が死んだり、無駄なアクションシーンは全く無いものの、最後まで退屈することも観辛いことも無い、見応えのある映画でした。
流石は名優
アル・パシーノ!! 流石は名匠
シドニー・ルメット監督の作品です。
マスターお薦めの「
竜馬暗殺」も大いに見応えありの映画でした。
司馬遼太郎の「
竜馬がゆく」ファンの私には、若干違和感は残ったものの、「なるほど」と思わせる場面も多く、面白い映画でした。
但し、あくまでも「
八月の濡れた砂」や「
祭りの準備」などを世に送り出した、
ATG制作の映画ですので、興味を持たれた方は、その辺を調べてからご覧ください。
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- 2017/04/19(水) 12:03:32|
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今週、テレビ東京の午後のロードショーで、西部劇の名作
「大いなる西部」を放映していました。
普段は2時間枠のところを、3時間に拡大していたので、録画して夜ゆっくり鑑賞しました。
1958年作のアメリカ映画で、監督は
「ローマの休日」「ベン・ハー」の
ウイリアム・ワイラー、主演は
「ローマの休日」「白鯨」の
グレゴリー・ペックと
「十戒」「ベン・ハー」「エル・シド」「猿の惑星」の
チャールトン・ヘストンです。
その他にも
ジーン・シモンズ、
キャロル・ベヘカー、
チャック・コナーズなども出演する豪華キャストで、上映時間2時間44分にも及ぶ超大作西部劇にも拘らず、主役の
グレゴリー・ペックは、荒くれ男ばかりの西部には場違いな、東部から来た非暴力主義の紳士なので、派手なガンファイトシーンはありません。
代わりに若き牧童頭を演じる
チャールトン・ヘストンの、荒々しくハツラツとした演技が、印象に残る映画でもあります。
そういえば先日、声優の
納谷悟郎さんが亡くなりましたが、
チャールトン・ヘストンの声も、納谷さんが吹き替えを担当していましたね。
「大いなる西部」を見るのは、子供の頃を含めて3回目ですが、今回この映画を観直して、まだ無秩序に近い西部に、徐々に法と秩序が持ち込まれる過渡期を描いた映画なのだと、改めて再認識することが出来ました。
たまには古い映画を、観直してみるのもいいものです。
以前にも一度紹介した、秘蔵のパンフも紹介します。

秘蔵のパンフを紹介した記事は ⇒
≪こちら①≫≪こちら②≫≪こちら③≫
テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2013/04/06(土) 15:43:59|
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この三連休は何処へも出かける予定が無いので、久しぶりに夜更かしをしてDVDで古い映画を見ました。
題名は1949年公開の
黒澤明監督作品
「 野良犬 」です。
映画ファンを自称する僕にしては、今までに鑑賞した
黒澤映画は意外に少なく、現代劇では
「生きる」と
「天国と地獄」くらいでしょうか。
何故今更こんな古い映画を見ようと思ったかと言うと、先月の19日に
テレビ朝日の開局55周年ドラマとして
「野良犬」が
江口洋介主演で
リメイク版が放送され、その内容があまりにも面白くなかったので、
オリジナル版の出来映えに、とても興味が湧いたからです。
まず、
「刑事が拳銃をバスですられる」と言う物語の設定からして、沢山の
刑事ドラマや
警察小説に触れる機会があり、
刑事は普段は拳銃を携帯していないことを、常識として知ってしまっている私には、戦後の混乱期が舞台の
オリジナル版ならともかく、現代劇としては
「設定に無理がある」と直ぐに思えてしまいます。
今回
リメイクされた現代版「野良犬」のストーリーは、この
現在に置き換えたら不自然でしかない
「刑事が拳銃をバスですられる」部分だけを使い、他のストーリーは
オリジナル版とは全く違うもので、他の部分で踏襲しているのは、登場人物の名前くらいのものなのです。
オリジナル版「野良犬」は、
三船敏郎演じる主人公、元復員兵の若い刑事と、
志村功演じるベテラン刑事の目を通して、
終戦直後の日本社会が抱える矛盾と混乱を、街の風景描写と若い刑事の心の葛藤を描くことであらわした作品であり、時代背景の全く異なる
現代劇には置き換えようがありません。
そこで
リメイク版では刑事と犯人を幼馴染みの設定に替え、テーマを
過去のいじめ問題に置き換えいます。
つまり、
オリジナル版と
リメーク版は全く違うものであり、リメークと呼べる内容ではないのです。
リメイク版については
「見て損をした」とか
「時間の無駄だった」とかいう感想しか思い当たりませんが、オリジナルの
黒澤明監督の
「野良犬」を見てみようと思うきっかけにはなったのですから、
リメーク版を見るのに費やした2時間は、全て無駄な時間だったとは言え無いかも知れません。
視聴率を少しでも上げるには、
黒澤作品のリメイクと言う売り文句が必要だったのかも知れませんが、既に
オリジナル版を見ている人や、僕のように
リメイク版を見たのをきっかけに、
オリジナル版を見た人間は別として、
今回、
テレビ朝日の開局55周年ドラマと銘打って放映された
「野良犬」が、
オリジナル版と
同等視されてしまうことが心配でなりません。
テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画
- 2013/02/10(日) 18:20:09|
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「 告白 」見ました とは言ったものの、家でDVDで見たのです。
僕は
中島哲也監督の映画が好きで、
松たか子さんのファンでもあるので、DVDのレンタルが開始されて直に借りたかったのですが、何時も全部貸し出し中で、昨日やっと借りることが出来たのです。
大まかなストーリーは知っているつもりだったのですが、内容はかなり恐ろしく、衝撃的なものでした。
テンポの良さと派手な映像が特徴の中島監督の映画としては、押えた色彩で淡々と物語は進行するのですが、時折映し出される空の映像が、とても美しく印象に残ります。
特に
ラストシーンは流石としか言いようのない、大迫力でした。
中島哲也監督の映画では、
「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」を見て来ましたが、僕が一番好きなのは
「パコと魔法の絵本」でしょうか?
僕も歳なのか
「嫌われ松子の一生」や、この
「告白」のように、救われない後味の悪いストーリーの映画を見るのは、ちょっときついですね。
「嫌われ松子の一生」はドラマ化もされました。映画版は演出のテンポが良く、考えさせられるとても良い映画だと思いましたが、ドラマの方はあまりに暗いストーリーに、2話目で見るのを止めてしまいました。
同じストーリーでも、脚本と演出で、ここまで変わるのか?と改めて実感できました。
「告白」も、もし中島さん以外の人が監督をしていたら、とても見る気になれなかったと思います。
でも、良く考えると
「パコと魔法の絵本」もかなり可哀そうな物語です。
テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2011/02/26(土) 10:58:19|
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昨日のテレビで、
スタジオ・ジブリの新作発表の記者会見をやってました。
ジブリ映画は、たいていは一年おきに公開されているので、今年
「借り暮らしのアリエッティ」を公開したばかりなので少し驚きました。
題名は
「コクリコ坂から」で、お得意の「○○
の○○」と言うパターンの題名ではありません。
監督は宮崎駿さんの息子の
宮崎吾朗。
原作は1980年に
なかよしに連載された少女(?)
コミック。
作画は
高橋千鶴で、原作者は
佐山哲郎と言う人です。
舞台は
東京オリンピック直前の1963年の横浜 ( 僕の生まれた頃ですね ) と言うことですので、
古い洋館が沢山登場することでしょう。
監督の
宮崎吾朗についてですが、ハッキリ言って、彼のデビュー作(?)の
「ゲド戦記」は、僕には全く面白くなかったので少し心配ではあるのですが、吾朗君の成長に期待したいと思います。
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- 2010/12/17(金) 17:55:26|
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昨日、
調布パルコに
スタジオ・ジブリの
「借りぐらしのアリエッティ」が来たので、奥さんと娘の三人で観て来ました。
三人ともジブリ映画が好きなのですが、特に僕と娘は
宮崎駿の大ファンなのです。
娘は既に一度観ており、綺麗なものを見るのが大好きでなので、ドールハウスやアリエッティーの家の綺麗さを、パンフレットをめくりながらさんざん聞かされていました。
スタジオ・ジブリの他の作品と比べると「物語性がない」との評もあるようですが、娘に負けず劣らずに綺麗なものを見るのが好きな僕は、充分楽しむことが出来ました。
この物語の舞台も調布か三鷹辺りの野川沿いと思うので、DVDで確認しながら、似た風景を自転車で探してみたいと思います。
ただ、
スタジオ・ジブリの映画は、なかなかDVDにならないんですよね。
それから物語の舞台になった家も、きっとどこかにモデルになった家が在る筈です。
そっちも是非、
建物探訪してみたいものです。
平成狸合戦ぽんぽこや
耳をすませばも多摩地区を舞台にした物語ですよね。
テーマ:映画 - ジャンル:映画
- 2010/10/09(土) 11:21:35|
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昨日DVDで
ハリソン・フォード主演の
「正義のゆくえ I・C・E特別捜査官」を観ました。
さほど期待して観た映画ではなかったのですが、
アメリカの恥部と
アメリカ人の正義を真摯に描いた、大変見応えのある映画でした。
地味な内容ではありますが、一見の価値はある名作だと思います。
ついでに最近DVDで見た映画を、私の主観だけで無責任に採点してみました。
・沈まぬ太陽 78点
(真摯な姿勢で作っているのは分かるが、期待が大き過ぎた為に少しがっかりした。実話を元にしたストーリーなので仕方がないが、内容が暗く救われない。後味が悪く観終わると暗い気持ちになってしまう。それに主人公にあまり魅力を感じられなかった。)
・ブラック会社に務めているんだが、もう俺は限界かもしれない 72点
(もっとくだらない内容かと思っていたが、以外にまともなストーリーで、前向きな終わり方が良かった。)
・ワルキューレ 75点
(ヒットラーの暗殺が幾つか計画されたことは知っていたが、まさかここまでの規模の計画があったとは・・・。ただ、もう少しヒットラーの人間像に切り込んでも良かったのでは ?)
・正義のゆくえ I・C・E特別捜査官 88点
(派手さはないが、移民達と特別捜査官の目を通してアメリカの現状を鋭く描いている。こんな映画を作るアメリカはやはり凄い国だとも感じる。)
・20世紀少年 70点
(よくもまあこんな荒唐無稽なくだらない映画を3部にもわたって作ったものだとは思うが、つい3部とも観てしまった。主人公のと同年代なのでシンパシーも感じてしまう。大阪万博や原っぱ秘密基地、駄菓子屋のお婆さんなど自分の子供の頃を見ているような感じがする。僕の幼馴染にもケンジと言う友人がいる。ちょっと似ている感じもするが誉め過ぎか? )
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- 2010/09/01(水) 11:49:01|
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今日
「アバター」のDVDとブルーレイが発売されるそうですが、この映画をもうご覧になりましたか?
3Dの映像が話題となり、
アカデミー賞の主要部門の受賞こそ逃しましたが、興行的には大成功し、観客動員数の記録を、ことごとく塗り替える大ヒット作となりました。
実は、僕は
「アバター」を、ほんのひと月ほど前に
調布パルコで見たのですが、
3Dでの上映ではなかった為か、僕ら夫婦を含めても、客は数人しかいませんでした。
混んでいる事の少ない
調布パルコですが、これ程空いているのは初めてです。
「
3Dでなければ、大した映画ではないよ」と友人に言われたことを思い出しましたが、映画が始まると意外にも
3Dでなくても楽しめる内容であり、迫力も充分で、かえって
「アバター」を
3D映画と言う枠にはめて見てしまうと、評価が間違ってしまうのではないかと思う程でした。
ただこの映画にオリジナリティーがあるかと問われると、「ン~?」と考え込まざるを得ません。
ストーリーの発想や背景が、
スタジオジブリの
「もののけ姫」にかなり影響されていると思うのです。
その他
「風の谷のナウシカ」や
「天空の城ラピュタ」の要素も感じました。
昔は
黒澤明監督の作品が、多くのハリウッド映画に影響を与えたり、リメークされたりもしたものですが、今では
宮崎駿監督が、世界の映画界に影響を与えているのです。
日本映画も大したものだと思います。
「アバター」の場合はリメイクでも、勿論パクリなどと言っているわけではありません。
他にも
「スターウォーズ」の戦闘シーンや
「トータルリコール」のアイティア等、ハリウッドの大ヒット映画の要素もちりばめられた、実に楽しい作品です。
テーマ:映画 - ジャンル:映画
- 2010/04/23(金) 18:00:57|
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前回さんざん文句を言いながらも、ケーブルテレビのJ-COMと契約したおかげで、地デジの対応が出来ただけでなく、BSやCATVも見られるようになりました。
番組表を見ても、チャンネルは沢山あるものの、たいして見たい番組は無いとがっかりしていましたが、番組表の中に歴史ばかりを扱うチャンネルがあり、そのチャンネルの放送番組の中に
「決断」と言う番組を見つけました。
早速その
「決断」見てみると、思った通り、僕が子供の頃に見た懐かしいアニメだったのです。
アニメと言っても子供が見るような内容ではなく、太平洋戦争の各激戦を描いた物語で、真珠湾攻撃を始め色々な戦闘や作戦で、司令官が下した
「決断」とその功罪を描いた実に渋~い、渋過ぎるアニメなのです。
放映していたのは35~36年前で、土曜の7時30分で、
「巨人の星」の後に見ていた覚えがあります。
あまりに渋い内容の為か、今まで一度も再放送を見たことがなく、是非もう一度見てみたいと思っていたアニメなのです。
「決断」の他にも、キックボクシングの沢村忠(?)を描いた
「キックの鬼」と、ミュンヘンオリンピックでの金キンメダルを目指す男子バレーボールチームを描いた
「ミュンヘンへの道」も、是非もう一度見てみたいアニメです。
ちなみに麻生総理にも、そろそろ決断をしてもらわないと、日本はおかしくなってしまいそうです。

我家では毎日のように凛VS蘭による、激しい戦闘が繰り広げられています。
テーマ:懐かしいテレビ番組 - ジャンル:テレビ・ラジオ
- 2009/02/12(木) 00:22:46|
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タミフルのおかげですっかり元気になった奥さんと、さっきまで松本清張原作の「疑惑」を見ていました。
二時間ドラマには、あまり期待はしていなかったのですが、良い意味で期待は裏切らレました。
ドラマの途中から「前にも見たことがある」ことに気が付いてからは、そればかりが気になにります。
主人公の球磨子と言う名前や保険金、車内に残された脱げた革靴とスパナの謎。
ドラマの内容より、以前見たときは田村正和や沢口靖子の役を誰が演じていたかが気になって仕方ありせん。
ドラマが終って早速検索してみると、以前に見たのは田村正和の弁護士役を岩下志麻が、球磨子を桃井かおりが演じた映画だと分かりました。
でも、ラストシーンは無罪を勝ち取り祝杯をあげる岩下志麻と桃井かおりがもめて喧嘩別れするラストだったとの記憶があり、感動的な今回のドラマのラストとはかなり違っていた気がします。
「砂の器」も映画と原作から受ける印象はかなり違っていますが、昔の映画と今回のドラマでは、どちらが原作に近いのでしょう?
2003年にも、「疑惑」は佐藤浩市主演でドラマ化されているようです。
テーマ:日々のできごと - ジャンル:ライフ
- 2009/01/25(日) 00:14:44|
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今朝の新聞とニュースで大好きだったチャールトン・ヘストン(84歳)が死去した事を知りました。
50年台後半から70年台後半まで、ハリウッドの大作映画、特に歴史スペクタクル映画には欠かす事の出来なかったヘストンも、80年台に入ると主演作は一気になくなりましたが、俳優協会の会長を務めたり、少ない出番でも存在感を発揮していました。
1998年から5年間務めた全米ライフル協会会長の時に、マイケル・ムーア監督の記録映画「ボーリングインコロンバイン」で、すっかり保守派(好戦派)の代表のように思われてしまいましたが、60年台には人種差別に反対するワシントン大行進に参加するなど、平和を愛するリベラルな一面も見せていました。
話しをヘストンの映画に移ししましょう。
1950年に「虐殺の街」(残念ながら見ていません)でハリウッドデビューしたヘストンは、わずか2年後にはセシル・B・デミル監督の大作「地上最大ショー」で主演級の役を任され、また映画もアカデミー作品賞を受賞する幸運に恵まれ、そのデミル監督との出会いが1956年の「十戒」でのモーゼ役に繋がりました。
その直後(1958年)にはウイリアム・ワイラー監督の「大いなる西部」では主演のグレゴリー・ペックを食う存在感ある演技を見せ、ワイラー監督の「ペン・ハー」(1959年)ではアカデミー主演男優賞を受賞。「ベン・ハー」も主演男優賞の他に、監督賞、作品賞など11部門のアカデミー賞を受賞した普及の名作として今も高い評価を受けています。
ヘストンはデビユー僅か10年足らずでハリウット俳優の頂点を極めたと言え、その後も多くの大作、特にスペクタクル史劇には無くてはならない存在になりました。
「地上最大のショー」後の、まだブレイク以前の作品でも、その殆んどが主演か重要な役どころでの出演で、この時代の「黒い絨毯」は有名です。
彼は下積み時代の殆んど無い、実に恵まれた俳優人生を送ったと言えるでしょう。
晩年のライフル協会会長の件は除いて、もし俳優チャールトン・ヘストンを嫌いな人が居るとしたら、その原因は、ヘストンの真面目すぎる風貌と役柄か、恵まれすぎた経歴に有るのかも知れません。
ここで僕のコレクションの数々を紹介します。
「十戒」は何度もリバイバル上映されていますが、このパンフレットは初版です。
「ベン・ハー」は3度目のリバイバルの時の物ですが、それでも40年近く前のパンプです。

アンソニー・マン監督の「エル・シド」(1961年)は、スペインの英雄ロドリゴの半生を描いた作品。僕の大好きな映画ですが、興行的には失敗したようです。
「偉大な生涯の物語」(1963年)では主役ではありませんが、洗礼者ヨハネを力演しています。

「大将軍」(1963年)と「華麗なる激情」(1963年)は、上の4作程有名ではないので、かなり珍しいパンフレットだと思います。

63年以降、しばらく史劇への出演を拒んでいたヘストンでしたが、1970年に再び史劇に出演します。
二作品とも、原作は言わずと知れたシェークスピア。ヘストンはアントニウスを演じていますが、「アントニーとクレオパトラ」では、初めてメガホンを握っています。
僕の記憶が正しければ、ヘストンが監督を務めたのはこの作品だけだと思います。

古代や中世の物語ではありませんが、義和団事件を描いた「北京の55日」(1963年)や、もう一つの「アラビアのロレンス」といわれる「カーツーム」も、超大作の戦争スペクタクル映画です。
また、ヘストンは「カーツーム」で尊敬する俳優ローレンス・オリビエとの競演も果たします。
ヘストンには、「ベン・ハー」や「十戒」で演じたスペクタクル史劇のヒーローの顔の他に、この映画によってS.F映画のヒーローの顔も加わりました。

ピエール・ブール原作。フランクリン・J・シャフナー監督の「猿の惑星」です。
「猿の惑星」はシリーズ化され、5作まで作られましたが、ヘストンが出演しているのは2作目の「続猿の惑星」まで。ただし「続猿の惑星」では出番は少なく、ゲスト的な扱いになっています。

「オメガマン」(1971年)と「ソイレントグリーン」(1973年)の2作品は、いずれもB級と言った感じで、「猿の惑星」と比べてしまうと、かなり見劣りのする作品です。
更にもう一つのヘストンの顔と言えば、パニック映画のヒーローの顔でしょう。

ジョン・ギラーミン監督の「ハイジャック」(1972年)は、かなりの秀作と思うのですが、同じく飛行機パニックを描いたバート・ランカスター主演の「大空港(原題/エアポート)」と比べると、その知名度は今一です。
その「エアポート」の続編として作られた「エアポート75」(1974年)では、今度はヘストンが主役としてと登場します。

日本では「エアポート75」と同じ日に封切られたのが「大地震」(1974年)。
僕の同年代の人間には「タワーリングインフェルノ」と並ぶ、パニック超大作映画として印象強い作品でしょう。
パニック・イン・スタジアム」(1976年)では、ヘストンにしては珍しい刑事役でした。
時代は大きく戻ってしまいますが、ヘストンの出演する西部劇は、やっぱり大作です。

最初の方でも記した「大いなる西部」(1958年)では「ローマの休日」のウイリアム・ワイラー監督と出会い、後の「ベン・ハー」にも繋がります。
サム・ペキンパー監督の「ダンディー少佐」は、僕の大好きな映画。
南北戦争にインディアンやフランス軍も絡めた、他では見たことの無いようなスケールの大きな西部劇です。
競演のリチャード・ハリスとの男の友情も見所で、ラストでフランス軍から奪い返した国旗をヘストンに手渡すシーンのカッコよさは、子供心に焼き付いています。
他人から見れば羨ましいばかりの大作に続けざまに出演したヘストンも、一時は自分の演技力や演技の幅に悩んだ事も有ったと聞いたことが有ります。
その頃であったのがトム・グリース監督で、ヘストンは立て続けにトム・グリース監督の映画に出演します。

「ウィル・ペニー」(1967年)では初老のカウボーイを、「ナンバーワン物語」(1969年)では、盛りを過ぎた元花形フットボール選手を演じ、今までに無い役柄を見事に演じきりました。

「大洋のかなたに」(1970年)もトム・グリース監督の作品。
「野性の叫び」(1972年)は監督のケン・アナキンと10年前から構想を練って完成させたそうです。
ジャク・ロンドンの原作は、ヘストンの子供の頃の愛読書と言う事で、僕も本屋で探して読んだ事を覚えています。
最後に残った2冊のパンフを紹介します。

いずれも1976年の公開で、「ミッドウェイ」はヘストンらしいオールスターキャストの戦争超大作映画。
「大いなる決闘」は地味な内容ながら、珍しく悪役を演じたジェームス・コパーンとの競演が見ものでした。監督はアンドリュー・V・マクラグレンです。
今日紹介した映画の他にも、初期の「黒い絨毯」や晩年の「原子力潜水艦浮上せず」などの、是非また見てみたい作品があります。
まだ見ていない「ダイヤモンドヘッド」「大海賊」「黒い罠」も何とかして見る方法は無いものでしょうか?
なんとも長いブログになってしまいました。書いた内容は年号以外は殆んどが子供の頃の記憶に頼ったものなので間違いも有るかもしれませんが、ご容赦ください。
テーマ:洋画 - ジャンル:映画
- 2008/04/07(月) 18:57:55|
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週末にテレビドラマ「天国と地獄」と「生きる」を見ました。
言わずと知れた黒澤明監督の名作で、「天国と地獄」はサスペンス、「生きる」はヒュ-マンドラマの傑作として知られています。
僕は映画ファンを自称していながら「天国と地獄」はまだ見ていませんでした。
どうせ見るなら「本物を」との思いもありましたが、佐藤浩市や妻夫木聡ファンの奥さんが見ると言うので、お付き合いで見ることに。
2人の他にも阿部寛や鈴木京香、平田満、吹石一恵、伊武雅刀らが脇を固め、ちょい役にまで泉谷しげるや本田博太郎らの名の知れた俳優を使う、超豪華キャストのドラマです。
ただ40年前の脚本をそのまま現代に置き換えてしまった、やや安易な脚本の書き換えで、どうも話の展開に納得出来ないシ-ンが多く、消化不良の二時間半になってしまいました。
幼児の誘拐事件など無かった当時なら理解できる、警察のあまりに頼りない対応ぶりや、特急の窓からの人質確認や身代金の受け渡しは、今の特急電車のスピ-ドや開かない窓を考えると、あまりに無理が有り過ぎです。
一方「生きる」は、親子のすれ違いや、いい加減なお役所の仕事振りは、50年経っても変わらないと見えて、違和感はあまり有りませんでした。
それにしても、黒澤監督の映画をドラマ化するなどと言う、大それた企画は、いったい何所から出て来るのでしょう???
「用心棒」をリメイクした「荒野の用心棒」や、「七人の侍」をリメイクした「荒野の七人」でさえ、セルジオ・レオ-ネやジョン・スタ-ジェスらの巨匠によるリメイクだったにも関らず、本家を超えたとは言えません。

(凛) 「お姉ちゃんは「つまらない」って怒るし、お母ちゃんは寝てしまいニャした。お父ちゃんは文句を言ってた割に、次の日《生きる》も見てニャした。」
年末には織田裕二の出演で「椿三十郎」も公開されるようですが、本家を超える可能性は限りなく低いと思います。
やっぱり見るなら本家の黒沢映画が良いのでは・・・。
テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2007/09/10(月) 19:06:18|
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今週末奥さんと娘がデスノ-ト前・後編のDVDを借りて来ました。
僕以外の家族は前編だけは、以前にもう見ていましたが、後編を見るに当たり、もう一度前編から見直すことになったのです。
話の大筋は大体聞いて知ってはいましたが、何ヶ月か前に中国や韓国で映画に出てくるデスノ-トが学校でイジメに使われているというニュ-スが報道されていたので、海外でも社会問題になっているデスノ-トがどんな映画なのか少しは興味がありました。
但し内容は予想以上に荒唐無稽な内容で、人が簡単に殺され、薄っぺらな正義感さえも感じられないものでした。
映画館で見るのならともかく、こんなに簡単に人間が殺される映画の原作が、少年コミック誌に連載されている事にも違和感があります。
日本のコミックには大変優れた物も多数ある一方、「名探偵コナン」のように、毎回日常的に子供達の周り(実際には高校生ですけど)で殺人事件が起こるものがあります。
殺人事件や残酷な内容のものを、何故少年誌に連載したり、誰でも見ることが出来るテレビで放映しなくてはいけないのでしょうか。
コナンファンは大人にも多いとは思いますが、少なくとも、小さな子供には見せるべきではないと思います。

凛もしばらくは一緒に見ていましたが

(凛) 「お父ちゃんはDVD見ながら怒ってるし、死神が怖いニャス。」
と言って

いつの間にか寝てしまいました。
テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2007/07/01(日) 15:56:11|
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先週、12チャンネルの昼間の映画で、クリント・イ-ストウッドの映画を放映していました。
放映していたのは「マンハッタン無宿」「白い肌の異常な夜」「恐怖のメロディ」「シノ-ラ」の4本。どの映画も子供の頃にテレビで見た事のあるものです。
これらの映画はイ-ストウッドがマカロニウエスタンの3部作でいきなりスタ-になった直後の映画で、「マンハッタン無宿」と「白い肌の異常な夜」は「ダ-ティ-ハリ-」でハリウッドでのイ-ストウッドの地位を不動のものにしたドン・シ-ゲル監督の作品です。
「恐怖のメロディ」は、ラジオのDJというイ-ストウッドにとって、異色の役どころへ挑戦した野心作。今では当たり前になりましたが、彼が始めて監督に挑戦したものです。
この3本の映画は、いずれもヒット作にはなりませんでしたが、イ-ストウッドを語る上で、重要な作品だと思います。
ただ、「シノ-ラ」は久しぶりに見ても、西部劇の巨匠ジョン・スタ-ジェスのメガフォンとは思えない、退屈な映画でした。
今日は、前回のチャ-ルトン・ヘストンの「エル・シド」のパンフに続き、秘蔵のパンフの第2弾としてクリント・イ-ストウッドの出演した映画のパンフやポスタ-を紹介します。


今回はパンフレットだけではなく、宣伝用のポスタ-とプレスシ-トも紹介します。
この中で一番のレア物は「ペンチャ-ワゴン」のポスタ-でしょうか。
あまりにマイナ-な映画なので、価値があるかどうかは微妙ですが、珍しいのは確かだと思います。
(30年前の記憶に頼った文章なので、内容に間違いがあるかもしれません。)

最後は凛のレアな? 寝姿でした。<
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- 2006/09/09(土) 12:14:48|
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盆明けは仕事が忙しく、最近は奥さんにブログを作ってもらっていましたが、今日は久しぶりで自分で作ることが出来ました。
先週末の25日、仕事は忙しかったのですが、「ダ・ビンチ コ-ド」のロ-ドショ-の最終日だったので、無理をして渋谷まで行って「ダ・ビンチ コ-ド」を見てきました。
「難しすぎて、よく分からない」「大して面白くない」などの評判は聞いていましたが、この手の歴史物、特に宗教を題材にしたものには目のない僕には、絶対に見逃せない映画です。
原作が出版された2年前にも、テレビで沢山特集が組まれていましたが、気が付い番組は全て見、勿論原作も読みました。
原作を読んでから、ある程度時間が空いていたせいもあるのかも知れませんが、原作を少々端折っているところも気にならず、忘れているところもあったので、映画で見て「ああ、そうそう、そうだった」と好意的に思えるところばかりでした。
僕の「ダ・ビンチ コ-ド」の評価は「大変面白い」で、興味のある人には是非見て欲しい映画だと思います。
ただ、キリスト教や歴史に興味の無い人には、退屈で理解が困難な映画だとは思います。
この映画で語られているものが真実か否かはさておき、宗教とは如何なるものかを考えるには、実に興味深い映画で、傑作だとも思います。
ついでですが「ゲド戦記」は、期待が大きかったせいもあるかも知れませんが、スタジオジブリの作品の中では最低の出来だと思いました。
期待が大きいものは、評価が厳しくなってしまいます。
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- 2006/09/02(土) 23:42:31|
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子供の頃集めた秘蔵の映画パンフを紹介します。
この映画の日本公開は1962年で僕が生まれて半年くらいの頃なので、僕が初めて見たのは中学の時で、確か水野晴夫の「水曜ロ-ドショ-」でした。
主演は「ベン・ハ-」や「猿の惑星」のチャ-ルトン・ヘストンで、スティ-ブ・マックィ-ンやクリント・イ-ストウッドと並んで僕の好きな俳優です。
物語は宗教や人種の壁を乗り越え、外敵から祖国を守った中世スペインの伝説的英雄ロドリゴの生涯を描いたものです。
地理的にもキリスト教とイスラム教、ヨ-ロッパとアラブの文化が入り混じった独特の文化を持つスペインならではの英雄エル・シドの名は、イスラム教徒からキリスト教徒であるロドリゴに送られた尊称です。
毎日のようにレバノンの悲惨な状況が報道されています。
人間は何時になったら人種や宗教の枠を超えて、手を取り合うことが出来るようになるのでしょうか。
現在のイスラエルを取巻く状況は9.11の直前の状況に似ています。
アメリカや日本をはじめとする西側諸国で、テロが起こらなければいいのですが。
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- 2006/08/08(火) 16:49:52|
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先日、無料の券をもらったので
凛太郎と映画を見に行きました。
LIMIT OF LOVE 海猿です。
1作目も観てよかったので
期待していきました(^^♪

今回は題名のように恋愛映画でした♡
加藤あいが可愛くて ハラハラしたり
感動したり・・・
見終わって凛太郎の方を見ると
なんか怒ってる様子!
(ここからは内容に関することなので
知りたくない人は見ないほうが・・・)
凛太郎は怒っていました(~_~メ)
こんなリアリティーのない海難物は初めてだ!
泣かせる事ばかりを考えて「まさかこうはならないだろう」
というような安易な展開で窮地に追い込まれる
だいたい 仲間が動けなくなり転覆する船に置き去りに
しなくてはならない時に5分も手を握り見つめ合って
お別れするか⁉ 少しでも早く脱出して仲間を呼べよ!
それに もう数分で沈むという時に 助けなければならない人が
いる時に 彼女にプロポーズするか⁉
回りも暖かく見守るか⁉
極めつけは煙突・・・
外から見た船は半分以上傾いてるのに
どうして登ろうとする煙突はまっすぐなんだ‼
まだまだ沢山あるけど 見る人を馬鹿にしてるよな
人気シリーズだからって安易に作る姿勢が気に入らない"(-""-)"
と言うのです
私も多少は気になってたけど、まさかここまでとは・・
でもいいとこは 船の沈むところ
CGには見えないのでどうやって撮ったのかな
加藤あいも可愛かった
と言ってました

凛「そんなに怒るなら観なければよかったニャ」
- 2006/05/26(金) 00:03:00|
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