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アクトデザイン凛太郎のブログ

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川越散策⑦ 蔵造り通りⅥ 川越一番街商店街-3 田中屋・旧山吉デパート

今日は蔵造りの川越一番館商店街の中で一際異彩を放つ、並び建つ二棟の洋風建築を紹介します。

③田中屋・旧山吉デパート
左の2階建ての建物がカフェ・エレバートとして営業中の田中屋仲町店(旧桜井商店)右の4本のイオニア式のオーダーが施された3階建ての建物は、現在は歯科医院として再生された旧山吉デパートです。

田中屋・旧山吉デパート②
このアングルの写真だと、建物ボリュームの違いが分かりますね。

  まずは田中屋から
  田中屋①
  正統派洋風様式建築と言うのとは、ちょっと違う感じでしょうか?
竣工は1915年ですので、本来震災復興時の防火建築である看板建築とは言えないのかも知れませんが、私はあえて本格的看板建築に分類したいと思います。

  田中屋②
  田中屋③
側面の壁に窓はありませんが、ちょっと大きめの歯飾り(デンテル)は後方まで施されています。

田中屋④
イオニア式風の2本の柱が、ちょっと大きめの歯飾り(デンテル)を直接支えちゃってるところが面白いですね。

田中屋⑤
1階の角柱の柱頭のデザインも凝ってます。

  田中屋⑥

1階は座席が少なく満席でしたが、2階は座席も多くコヒーブレイクが出来ました。
  田中屋⑦
  なんと木造だったんですね。

田中屋⑨
小屋梁には
上棟 大正四年二月一五日
大工 新井 助太郎 
左官(大宮かも?) 松本 (渋造と書いてあるのかな?)
鳶 上野 金太郎 と記されています。

  田中屋⑧
  階段はかなりゆったりしています。
  古そうに見えますが、最近造ったものかも・・・?


  旧山吉デパート①
  旧山吉デパート
  設計者は保岡勝也で、竣工は1936年。
すっかり奇麗になっていますが、数年前に川越に来た時には、1階は空っぽで、廃墟のような状況でした。

数年前の姿は ⇒ ≪こちら≫

  旧山吉デパート③
「川越最初のデパートとして昭和11年に建てられた建物は廃墟となり長い間放置されていたが、復元と耐震補強を行い、昭和初期の美しい姿を復活させた。「蔵の町川越」に点在する数件の洋風建築が川越の街並みの歴史を語っている。左右のステンドグラスからもれる暖かな光は歩く観光客の目を楽しませる夜景となっている。」と記されたポスターがショウウィンドゥの中に展示されています。
以前訪れた時にはなかったステンドグラスも復元されています。
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テーマ:建物探訪 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2011/12/10(土) 10:31:42|
  2. 建物探訪
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

川越は明治時代の大火のあと蔵造りが普及して、その際に洋風の意匠を正面に施す建物が多くあった、とすれば川越のこうした建物が看板建築の源流だったと考えることもできますね。
  1. 2011/12/13(火) 07:13:59 |
  2. URL |
  3. pulin #Mbbb6aYI
  4. [ 編集]

pulinさんへ

そうですね。
川越は小江戸などとも呼ばれていますが、川越の蔵造りの建物は明治の大火以降に造られたものがほとんどで、そう古い建物ではないんですね。
おっしゃる通り、看板建築は関東大震災の防火対策から生まれたものですから、川越えの大火の後生まれた蔵造りが、看板建築の源流と言うご指摘は、当たっていると思います。
  1. 2011/12/13(火) 08:22:03 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
  4. [ 編集]

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