石岡市は昭和4年に大火に見舞われ、多くの建物が焼失しました。
町を復興するに当たり、関東大震災後に東京で流行中の看板建築が数多く建てられますが、現在では大半が取り壊されてしまい、石岡市ではデザイン的に優れた建物を有形文化財として登録を促進しています。
登録有形文化財となった建物の大半は中町通り沿いに在りますが、先ずは中町通りを少しだけ外れた神社通りの建物を紹介します。

平松理容店

石岡の看板建築の特徴は、優れた左官職人によるモルタル造形にあります。
東京で修業を積んだという、左官職人の故・土屋辰之助さんが、石岡で最初に手掛けた建物だとの情報もあります。

設計者 / 不詳
建築年 / 1928年 ( 昭和3年 )
所在地 / 石岡市府中市2-7-20
国登録有形文化財

外観も素晴らしいですが、いしおか散策マップによると「三和土(たたき)に大鋸屑(おがくず)を混ぜた床は大変珍しい。コリント様式風のアカンサスの葉の天蓋や理容鏡。理容椅子など、昭和4年の大火を免れた建築当初の姿がよく保たれている。」とあります。

改修された部分はあるものの、内外とも当時の様子をよく留めており、正面2間半、奥行も2間半の理容室の奥に和室を3室を1列に並べたプランのようです。
昭和4年大火を免れた貴重な建造物の一つでもあります。

神社通りには、他にもレトロな建物が見られます。

御覧のようにレトロな建物が建ち並んでます。

モルタル造形の平屋の看板建築と出桁造りの建物

平松理容店のちょうど向かいの建物です。

看板の文字は消えかかっていて読み取ることが出来ず、残念ながら店舗も利用されているようには見えません。
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