
旧藤中靴鞄店
今回の三島散策で一番見たかった建物は、この旧藤中靴鞄店でした。
しかし、事前に色々とネットで「三島の看板建築」を検索しても、この建物の情報は少なく、名前が出ていたのは一つのサイトだけで、所在地も北田町としか分りませんでした。
そこでJR三島駅前の観光案内所で聞いてみたところ、受付の若い女性スタッフの方では分からなかったものの、奥に居た年配の男性スタッフの方は御存知で丁寧に場所を教えてくださいました。
ただし「危険なので、あまり近付かないでくださいね」とも・・・?

三島の看板建築だけではなく、東京や東京近郊に現存する銅板葺の看板建築の中でも、極めて良質なデザインの建物だと言うのに、何故あまり知られていないかは、この写真でお分かりでしょうか?

側面上部のトタンは剥がれ落ち、小屋裏が見えてしまっています。

良く見ると、2階の向って右端の窓の周りの銅板もかなり剝がれていて、1階店舗の引き戸もガラスが割れています。
まさに 廃墟 か 廃墟寸前 の状態なのです。

これ程優れたデザインの建物なのですから、何とかして再生し、三島市の観光資産として活用 するか、優れた看板建築の事例として保存 するとは出来ないものでしょうか?

5連の縦長窓のうち中の3窓は両端の窓より開口面積が大きく半円アーチが施され、さらに上部にダイヤモンド形の飾りもあります。
窓間の縦ボーダーも印象的です。

両角にアールを付けたところも、なんとも心にくい演出です。


縦のラインょを強調しているので、下からの見上げ、特にこの角度からの見上げが格好いいと思いませんか?
同じような写真を何枚もアップしてしまいましたが、何時取り壊されてもおかしくない状況だと思いましたので、記録として残しておきたいと思います。
設計者 / 不詳
竣工年 / 昭和初期
所在地 / 静岡県三島市北田町1-13
旧東海道の田町駅入口のT字路をと、伊豆箱根鉄道三島田町との中程に在ります。
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