
蜷川家具店 竣工年 / 1930年 ( 昭和5年 )
佐原の古い街並みは勿論魅力的ですが、看板建築好きの僕には、この蜷川家具店が視界に入った瞬間が、この日一番興奮した瞬間になりました。

川越の田中屋に似ているかと思いましたが、よく見るとかなり違っていました。
Nゲージの看板建築商店3とはかなり似ています。
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蜷川家具店のデザインの特徴は、頭部中央の鍋をひっくり返したようなヴォールト屋根と、その下の〇にサ字の屋号。
窓台の設けられた三連の縦長窓。両サイドに施された古典主義風の柱型。その柱に支えられた軒蛇腹にも凝った装飾が施されています。
看板建築の装飾は2階以上の外壁面に施されていて、1階部はほとんどが開口部のみで、両側の壁の厚みのみが見えている建物がほとんどですが、この建物は1階の両サイドにもルスティカ風に石積みした柱型まで施されていて、全体として隙のない質の高いデザインと言えるでしょう。

モルタル造形による装飾は、道路側だけの表面的なものではなく、左右ともに折り返しが2間近くもあります。

建物の奥の方は下見板張り。かなり奥行きのある建物です。

外部の装飾と反して、店内は質素なものでした。
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