
村上精華堂
村上精華堂は台東区池之端の不忍通りに面して建っていた小間物屋(化粧品店)で、通りを少し上野動物園側に入ったところに在る忍旅館と並んで、上野近辺のみならず、モルタル造形の看板建築の代表格と言っていい建物です。

看板建築、特にモルタル造形の看板建築には、よくギリシャ・ローマ建築の柱のオーダーが施されますが、大規模な公共建築や銀行建築などの本格的な西洋様式建築とは違い、自由な発想で、もしかしたら無知なゆえの見よう見まねなデザインなのかもしれませんが、この建物のように、見ていて楽しくなるようなデザインが看板建築の醍醐味だと言えるでしょう。

数えてみると、イオニア式の柱は大小合わせて18本です。

店内に展示されている、イオニア式の柱の頭部
こうしてみると、かなりアレンジされているのが分かります。
設計者 / 不詳
竣工年 / 1928年 ( 昭和3年 )
旧所在地 / 台東区池之端2丁目7

奥の土間で化粧品の製造を行い、卸売りや、時には小売りも行われたらしい。

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