旧東海道沿いには転々と数等の看板建築と出し桁造りの建物が残っていますが、大川輪業、石田サイクル、電報局と郵便局を兼ねた庁舎などの優れたデザインの建物は、ここ数年の間に失われてしまいました。

国府津駅近くの旧東海道沿いに残っている看板建築の中で、一番目に付く建物は、この建物ではないでしょうか?
一見鉄筋コンクリート造にも見える、堂々たるデザインのモルタル造形の看板建築です。

1階の窓には鉄製の格子が付けられているので、元は銀行などの金融機関か、郵便局か何かではないかと思われますが、建物の状態は大変い良いように見えるものの、現在は店舗としては利用されてはいないようで、住居として利用されているようです。
昔見た西部劇に出てくる銀行にも見えますね。
メインの出入り口は2か所あり、格子窓の中に在る方は店舗用。向かって左端は恐らく住居用でしょう。向かって左端の小さな出入り口は店舗通用口でしょう。

あちらは銅板葺ですが、横須賀に在るみどりや呉服店にシルエットが似ています。

正面4本の付柱にはレリーフが施され、折り返し部のものも含めると6本の付け柱はパラペットを突き抜け、歯飾りは折り返し部にも施されています。

笠木の金属葺の部分は元は銅板か?

柱頭部のレリ-フ

これは住居用と思われる、向かって左端の玄関上部のレリーフです。

ファサード建築とも言える看板建築の正面は、ほとんどが1・2階の外壁が同一面上に造られているのですが、この建物は1階の店舗が2階の外壁麺面よりも一間程道路側に張り出しています。

これは出し桁造りの特徴の一つであり、よく見ると1階の軒下部分に、歯飾りとは異なる出し桁風の意匠も見ることが出来ます。
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