つい先頃、三軒茶と池ノ上に、まだ見たことのない銅板葺きの看板建築が残っていることを知ったのです。
世田谷通り沿いに在る筈なのが、建物はなかなか見えて来ません。 写真を撮れる時間に間に合わせる為に、夕暮れ間近の三軒茶屋を早足で歩きました。
東京近郊のレトロな建物を見て歩くようになって10年。
まさか生まれ育った世田谷に、こんなに上質な銅板葺きの看板建築が残っていたとは思いもしませんでした。
小走りでしばらく走ると、やっと緑青した銅板のファサードが見えて来ました。

マナ アイランド フェ-セス・ユリ 信陽堂 ( 所在地 / 世田谷区三軒茶屋2丁目17 )
信陽堂以外は現役の店舗として使われてます。

電線が少し邪魔ですが、この季節だったおかげで、街路樹に葉が無くて幸いしました。

亀甲葺の見事な戸袋飾り。
信陽堂の戸袋だけは、残念ながら朽ち果てています。

コーニスの下に設けられた軒飾りは、遠目だと普通のデンティル(歯飾り)に見えましたが、ただの矩形ではなく、曲線を交えたデザインのようです。

保存の状態も抜群な、見事な亀甲葺の戸袋飾り。
一つ一つの亀甲文様には縁取りがとられ、縁取りなしのものと比べると、立体感が増しています。
夕暮れは ますます近づいてきました。
茶沢通り、淡路通りを歩いて、次の目的地である、井の頭線の池ノ上駅へ、小走りも交えた急ぎ足で向かいます。
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