見てみたい建物や遺跡の全てを見て回ろうと思えば、速足でざっと眺めるだけだったとしても、少なくともプラス2日は必要です。
なので、ローマの遺跡群の端に位置するカラカラ浴場の見学は諦めようかと思っていましたが、この日は、じっくり時間を掛けるつもりでいたパンティオン内部の見学が出来なかったことから、少し時間の余裕がありました。
万歩計の歩数は既に2万歩を超えていたので、2日目以降の体調に少々不安は有ったものの、頑張って散策を続けることにしました。
チルコ・マッシモ競技場跡から歩いて直ぐだと思っていましたが、足の疲れが出ていたせいか、実際以上に時間が掛かった気がしたのかもしれません。
カラカラ帝の浴場遺構の入口近く、浴場遺跡の北側の角から、反時計周りに、遺跡の外周を見学していきます。

西側体育場の外壁
やっとたどり着いたカラカラ浴場は想像以上似に壮大な建築物でした。

西側の壁の向いにもかなり大きな建物の遺構があります。
この遺構は、城壁のように浴槽施設の敷地をとり囲む回廊の一部に設けられた、弓形をした、二つの美術館の内の一つです。
西側の角を曲がり、大庭園側に出ます。

カラカラ帝の浴場の平面は、左右対称なので、中央に在る部屋以外は、左右に1ヶ所ずつ配置されています。
この半円形の部分は、西側のサウナ室。

大庭園から浴室を見る。
「でかい!!」 とにかく 「でかい建築物」 です。

216年にカラカラ帝の時代に建てられたこの浴場は、現在の施設だったとしても、稀に見る巨大豪華レジャー施設なのではないでしょうか。
その広さはなんと 337m × 333m、総面積は約11万㎡もあって、一度に1600人の入場が出来たそうです。
浴場のあるメインの建物は、熱浴室を中心に、温浴室、冷浴室、プール、マッサージ室、体育室、脱衣室が等の施設が在り、このメインの建物を取り巻くように庭園と競技場が配され、その更に外周には列柱のある回廊の他美術館、図書室や体育室が配置されています。
古代ローマ時代、カラカラ浴場は午前中に仕事を終えた、多くののローマ市民が訪れる一代社交場でもありました。


温浴室
最も暑い湯を張った温浴室は、浴槽だけでなく壁や床も温められ、サウナ効果も高かったとか?


西側の体育室
体育室は列柱回廊で囲まれ、一部には彫像が飾られていました。
半円形の壁はエセドラと言われ、壁に沿って彫像が置かれ、朗読会などに行われたとか。

冷浴室の端からプールを見る。
あまりに壮大なこの施設を見ていると、恥ずかしながら 「でかい」 とか 「凄い」 とかしか言葉が出てきません。

浴室施設の中心である冷浴室からプールを見る。
パンティオンのところでも触れましたが、古代ローマの土木建築の技術水準は驚くべきもので、コンクリート造の技術は驚愕に値します。
現代のコンクリート造の建物が、1800年もの時を経ても、果して残れるものかどうか?

東側の体育室

東側の脱衣室

建物内部の大理石やモザイクの床で飾られていました。


プールの壁

パンティオンと同様に、壁の内部にもアーチを多用しています。

※ この記事内の説明文は「週刊ユネスコ 世界遺産」 「 ローマ人の物語 」 「Wikipedia」 を参照しています。
スポンサーサイト