ローマの日没時間を事前に調べていなかったのですが、そろそろ陽が暮れる時間に近づいているようです。
次は、既に紹介済みのサン・タンジェロ城の夜景の撮影をする為に、テヴェレ川沿いの道へ向かう途中、コロッセオを一回り小さくしたようなマルチェッロ劇場に立ち寄りました。

マルチェッロ劇場 ( マルケッルス劇場 )
マルチェッロ劇場はカエサルが、宿敵であり親友でもあったポンペイウスが建てた、ローマで最古の恒久劇場である、ポンペイウス劇場に対抗するかのように計画した石造の恒久劇場です。
しかし、カエサルは暗殺された為、完成は紀元前10年頃。
初代皇帝アウグストゥスの時代に規模を拡大して完成します。

質実剛健を旨としたローマでは、ギリシャ的な演劇は軟弱と嫌う風潮から、劇場は木造の仮設的なものが利用されていました。

アポロン神殿の円柱
ギリシャ文化を踏襲し、取り入れてきたローマ人にしては興味深い傾向ですが、軟弱との批判をそらす為に、ポンペイウス劇場にはウェヌス・ウィクトリクス神殿が、マルッチエロ劇場はアポロ神殿に隣接して建てられています。


マルチェッロ劇場の直径は111m。
収容観客数は当初11000人とも15000人とも言われています。

アーチを多用した半円形の大構造で、オーダーの様式は1層がドーリア式、2層がイオニア式。
一番上の3層はコリント式の円柱があったと思われますが、中世に修理された際に、最上部の客席や円柱が除去されたため、詳細は不明です。



ローマ帝国崩壊後は廃墟となり 、中世初期にファビウス氏族が要塞として使用します。

この写真でも分かりますが、3層より上階には現代的な窓がはめ込まれています。
これは16世紀に、バルダッサーレ・ペルッツィが設計したオルシーニ家の住居として改築されたもの。
現在では、上層階はアパートに分割されていて、人が住んでいるそうです。
古代の遺跡がアパートになっているなんて驚きです。
この後バスを利用してサン・ンジェロ城で夜景を撮影し、二日目の予定は全て終了です。
※ この記事内の説明文は「Wikipedia」「週刊ユネスコ 世界遺産」「ローマ過去と現在」 等を参照しています。
スポンサーサイト