初日に訪れた時には、大聖堂の前に出来ていた行列を見て、中に入るを諦めたサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂を見学し、その後、ついに念願のコロッセオへ向かいました。
( サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂は第一日目のところで紹介済みです。)
地下鉄の駅を出た時には、少し強めの雨が降っていたので、外観の撮影は後回しにして、雨宿りも兼ねてチケット売り場へ

コロッセオ ( フラヴィウス円形闘技場 )
チケットの列に並んでいる間に、雨はすっかり上がり、青空さえ見えていて、競技場の中は蒸し暑い程でした。

私がコロッセオを初めて知ったのは、子供の頃にテレビで観たオードリー・ヘップバーンの「 ローマの休日 」か、中学1年の時に大ブームだったブルース・リーの「 ドラゴンへの道 」だったかもしれません。

コロッセオはローマの七つの丘のうち、パラティーノ、チェリオ、エスクイリーノの三つの丘に囲まれた谷の中央に在り、ネロ帝のドムス・アウレア ( 黄金宮 ) の庭の人口湖の在った場所に建てられました。
ヴェスパシアヌス帝の治世だった紀元72年に着工し、8年の歳月を掛けてティトゥス帝治世の80年に完成し、続くドミティアヌス帝の治世中にも施設の拡張工事が続けられ、観客席の最上層部と天幕が完成します。
コロッセオはヴェスパシアヌス帝からティトゥス帝、ドミティアヌス帝までのフラウィウス朝の皇帝達が建設者であることから フラヴィウス円形闘技場 が本来の名前になります。
この巨大な競技場の長径は188m、短径は156mの楕円形で、周囲の長は527m、高さは48mもあり、約5万人を収容出来たと言われています。
最上階の周囲には日除けの天幕が張られていたらしく、現在の競技場建築の原型と言えるでしょう。

コロッセオでは、宗教的な祝祭や凱旋式などの祝い事、演劇等の他、映画 「 グラジエーター」 でも描かれているような剣闘士同士の戦いや、猛獣狩り、罪人の処刑までもが見世物として行われていました。
水を張って模擬海戦までも行ったと言うのですから驚きです。

アリーナの地下には控室や倉庫、通路が配置され、現代の劇場の奈落のように昇降機も備えられていて、そこからアリーナ上に猛獣登場させたり、舞台装置を地上へ運ぶのにも使われました。

写真のように、今はアリーナの 1/4 程にだけ復元された木製の床が張ってありますが、本来のアリーナの面積は、長径76m × 短径46m あって、木製の床の表面には砂を撒いた舞台が設置され、剣闘士同士の戦いや、猛獣達との戦いも繰り広げられたのです。



コロッセオの主要な構造材はローマン・コンクリートと言われる火山灰を利用したコンクリート。
煉瓦を積んでいるように見えますが、煉瓦はコンクリートの型枠として用いられ、そのまま取り外されることなく、コンクリートと一体化して建物の構造体の一部になっているのです。



どの写真を見ても分かるように、コロッセオはローマンコンクリートによるアーチ構造で構成されていると言えます。
ローマンコンクリートと共に、ローマの土木建築を支えたのがアーチ構造で、水道橋や橋、凱旋門等でも見られる構造です。
これはエトルリア人から受け継いだ技術で、ローマ独自の技術ではありませんが、ローマにより大いに活用され、また発展させたと言えるでしょう。


6世紀に修復の記録が残っていることから、古代末期までは競技場として使用されていたと分かっていますが、外壁を覆っていた美しい白大理石は、中世を通じて教会等の建築材料として流用され続け、コロッセオの一部は、サン・ピエトロ大聖堂にも使用されています。
今のコロッセオの姿は、永い年月、風雨にさらされた風化した後の姿ではなく、取り外せる物は全て持ち去られ、身ぐるみはがされた後の痛々しい姿なのです。

この辺りは、かなり修復されているようです。
さて、ここからは外観です。

競技場は4層構成の建築物で、1層から3層のアーチ構造のアーチのにはそれぞれ1体ずつの彫像が飾られていました。
1階の周囲には80のアーチがめぐらされ、化粧付柱にはドーリス式、2階はイオニア式、3階はコリント式のオーダーが施され、最上部までの高さは48mもあります。


4層部分はドミティアヌス帝の時に増築した部分だと思います。
4層部だけはアーチ構造ではありません。
化粧付柱も、1~3層が半円形であるのに対し角柱で、オーダーはコリント式です。

1階のアーチの上部には番号が刻まれていて、観客はチケットの番号とアーチの番号を確認しながら、自分の観客席に向かう仕組みになっていたそうです。
今とほとんど変わらないシステムだったんですね。

反対側は2層しか残っていません。
少しづつ右に回って行きます。

この辺りは改修が進んでいるように見えます。



最後にもう一度地下鉄の駅の出入口あたりから

さてこれからついに フォロ・ロマーノ に向かいます。
※ この記事内の説明文は「Wikipedia」「週刊ユネスコ 世界遺産」「ローマ過去と現在」「ローマヴァティカン市国・システィーナ礼拝堂」 等を参照しています。
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