フォロ・ロマーノとはローマ市民の広場を意味しjます。
フォロ・ロマーノはパラティーノ、カンピドリオ、クイリナーレの三つの丘谷間に位置し、広さは東西約300m、南北約100mと小さいながら、約1100年に渡って、古代ローマの政治、宗教、司法、行政の中心であり続けたのです。
コロッセオ ( 東側 ) から見たフォロ・ロマーノ

ヴィーナスとローマ神殿
中央の10m程高くなった人口地盤の様な緑の部分がヴィーナスとローマ神殿
今ではただの空き地のようにも見えますが、ここには135年にハドリアヌス帝によって建てられた、150本もの円柱からなる回廊に囲まれた巨大な神殿 ( 145m × 100m ) が在ったのです。
ヴィーナスとローマ神殿の西側半分、巨大なアプスの向こう側には、10世紀に建てられた、ロマネスク様式の鐘楼が印象的なサンタ・フランチェスカ・ロマーナ聖堂が在ります。
その左側にはティトゥスの凱旋門。
右側にはマクセンティウスとコンスタンティヌスのバシリカが見えます。

巨大なアプスは、実は建物の中心に、背中合わせに二つ在ったのです。

ヴィーナスとローマ神殿は、ローマの女神神殿とヴィーナス神殿が一つの神殿の中に背中合わせに祀られた、他に例のない形式の神殿だったのです。
現存しているのはヴィーナス神殿のアプスです。
こちらは反対 ( 西 ) 側、前日に撮ったカピトーリノ美術館から見たフォロ・ロマーノです。

中央の7本の柱はサトゥルヌスの神殿
その左、3本(2本に見えるが)の柱がヴァスパシアヌスとティトゥスの神殿

左端のバロッククーポラの建物 サンティ・ルカ・エ・マルティーナ教会
その右の凱旋門はセプティミウス・セヴェルスの凱旋門
凱旋門の後ろの切り妻屋根の建物は 元老院
その右の3本柱は ヴァスパシアヌスとティトゥスの神殿
その右の道は 聖なる道
聖なる道の奥に アントニヌス・ピウスとファスティーナの神殿
写真中央の1本柱は フォーカスの記念柱
写真中央の広場は フォロ・ロマーノ
その右の7本 ( 写真では2本に見える ) サトゥルヌスの神殿
その右の緑の部分は バシリカ・ユリア

この写真だとサトゥルヌスの神殿の7本の柱が分かります。
手前に上って来る坂道は、ユピテル神殿に向かう聖なる道
ここで、コロッセオ側、ティトゥスの凱旋門の所に戻ります。

ティトゥスの凱旋門
現存するローマ市最古の記念門。
ユダヤ戦争の戦勝記念として紀元81年に建立されたもので、高さは15.4m、幅1は3.5mです。

アーチの内側にティトゥス帝の勝利のエピソードが刻まれた浮き彫りがあります。

ティトゥスの凱旋門辺りから、フォロ・ロマーノの中心部方向を見る
ここから右側を見ると

マクセンティウスとコンスタンティヌスのバシリカ
マクセンティウス帝が308年に建設を始め、ミルウィウス橋の戦いでマクセンティウス帝を破って帝国を再統一したコンスタンティヌス1世が、312年に完成させた為、マクセンティウスのバシリカともコンスタンティヌスのバシリカとも呼ばれています。
見ての通り、古代ローマ時代の伝統的なバシリカ建築とは全く異なるスタイルで、その形態からローマ浴場の形態から着想したのではないかと考えられています。

バシリカは幅65m×高さ100mの規模を誇り、 身廊は幅25m×奥行き80m×高さ39mと言う巨大なもので、古代ローマ最大の、そして最後のバシリカです。
身廊は4本の巨大な柱で支えられた交差ヴォールトの天井となっており、西端部のアプスには、高さ12mもの巨大なコンスタンティヌス1世像が置かれていました。 ( この巨像はカピトリーノ美術館で紹介済み )
現在残っているのは北側の側廊のみ。


マクセンティウスとコンスタンティヌスのバシリカの前辺りから、、フォロ・ロマーノの中心部方向を見る。

手前から ロムルス神殿
その左 アントニヌス・ピウスとファウスティナ神殿
ロムルス神殿はマクセンティウス帝が、夭折した息子ウァレリウス・ロムルスのために建設した神殿。

アントニヌス・ピウスとファウスティナ神殿
五賢帝の一人、アントニヌス・ピウス帝が紀元141年に、先逝した皇妃ファスティーナの為に建設した神殿ですが、後にアントニヌス・ピウス自身もここに葬られています。
中世初期にはキリスト教の教会として使われるようになり、11世紀に神殿跡にサン・ロレンツォ・イン・ミランダ聖堂が建設され、1602年に神殿の一部を再建するかたちで設計しなおされ、現在のような状態になっています。


高い階段と美しい雲母大理石の列柱が残っています。


再び、反対 ( 西 ) 側、前日に撮ったカピトーリニ美術館から見た写真です。

左から アントニヌス・ピウスとファウスティナ神殿
その右 ロムルス神殿
その上 マクセンティウスとコンスタンティヌスのバシリカ
その右 コロッセオ
※ この記事内の説明文は「Wikipedia」「週刊ユネスコ 世界遺産」「ローマ過去と現在」「ローマ昨日と今日」「ローマヴァティカン市国・システィーナ礼拝堂」 「ローマ人の物語」等を参照しています。
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