
サン・ロレンツォ聖堂の回廊
回廊の屋根越しに、少しだけサンタ・マリア・ディル・フィオーレ大聖堂の大クーポラと、ジョットーの鐘楼の頂部が見えています。
サン・ロレンツォ聖堂に付属する中庭を囲むこの回廊について、言及しているサイトは少なく、一つだけ1475年のマネッティの作と記されているサイトを見付けました。
また、手持ちの資料の一冊に、この回廊をブルネッレスキの回廊と記載しているものも見付けています。
ブルネッレスキの死後、聖堂建設の指揮はマネッティが引き継いでいるので、どちらも正解と言うことだと思います。

2層の回廊には、1階・2階共に灰色のイオニア式円柱が施されていますが、シンプルなデザインのアーチで2階の回廊を支える、1階の円柱と比べ、瓦だけが載ったように見える、殆ど見付けのない木組の庇を支える2階の柱は大変細く、木製の柱に塗装したものかとも考えましたが、元画像を拡大して見てみると、やはり石材ではないかと思われます。

丁寧に刈り込まれ、手入れの行き届いた植込みの中央に植えられている樹木には、オレンジのような果実が実っています。

2層に巡らされた回廊の上部を見てみましょう。
向かって左側のラウレンツィーナ図書館には、三角やアーチのぺティメントが施されたの窓があり、
右側の聖堂には半円アーチ窓や丸窓が加わり、静かな中庭に賑わいを感じさせています。



実は今回、ラウレンツィーナ図書館も見逃してしまいました。
恐らくこの扉がラウレンツィーナ図書館の入口だった筈なのですが、下調べ不足で見逃してしました。
もしも気が付いてこの扉を開けていたら、目の前にミケランジェロの設計で滝の流れを模したと言われる、図書館への階段が在った筈なのです。

旧聖具室
ミケランジェロが設計した新聖具室は見逃してしまいましたが、ブルネッレスキが設計した旧聖具室の方は見ることが出来ました。
1419年に依頼を受けたブルネッレスキは、1422年に建設を始め1428に完成させています。
この教会で最も古く、ブルネッレスキが生きている間に完成した唯一の場所で、壁にはドナテッロによる洗礼者聖ヨハネの生涯を描いた 8 つのレリーフが飾られています。
旧聖具室と新聖具室は、聖堂とメディチ家礼拝堂を中心軸に、左右に対象に造られ、どちらも四角い平面とドーム天井からなる空間構成で、メディチ家礼拝堂と共にメディチ家の代々の墓廟であります。
旧聖具室にはコジモ・デ・メディチ、ピエロ・ディ・コジモ・デ・メディチ、コジモ3世・ディ・メディチの墓廟があり、
新聖具室には豪華王と呼ばれたロレンツォ・ディ・メディチと弟のジュリア―ノ、ヌムール公ジュリアーノ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチ、ウルビーノ公ロレンツォ・ディ・ピエロ・デ・メディチの墓廟があります。

ジョットーの鐘楼から写した、サン・ロレンツォ聖堂とメティチ家礼拝堂
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