フィレンツェ 最後の訪問場所となる サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂 はフィレンツェ の表玄関 と言える サンタ・マリア・ノヴェッラ駅 に、背中を向けるように建つ ゴシック様式の聖堂 です。

サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂
1246年にドミニコ修道僧によって建設が始められました。

14世紀に入るとファサードの建築が始まり、14世紀中頃にはフィレンツェ式ロマネスク・ゴシックの下半分が完成します。
ファサード上層のデザインは、アルベルティの設計によるもので、ペディメント や 付け柱 等の古典的な要素とゴシックを融合し、下層部のデザインとも一体化させたもので、ルネサンス建築の完成型と言う人もいるようです。
現在見られる、緑と白の色大理石用いたファサードは、1458年に完成したのです。

聖堂内部は、T字形 に近いラテン十字の平面を持つ三廊式。

アーチ と クロス・ヴォールト を支える、4本を束ねたようなデザインの柱は、祭壇に近づくにつれ間隔を狭めて、奥行きを実際よりも長く見せる効果を狙っています。

トルナブォーニ礼拝堂 1485-1490年
サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂は、多くの優れた美術品を所蔵していることでも知られています。
この聖堂奥の中央礼拝堂には、礼拝堂全体に、ドメニコ・ギルランダイオが弟子のミケランジェロらと共同制作した、聖母伝、洗礼者ヨハネ伝 等のフレスコ画が描かれています。
後で調べてみると、ルネッサンス期を代表する傑作だったらしいので、もっと詳しく見るべきでした。


キリスト磔刑 ジョットー作
広角レンズに撮っている為か、どの写真でも礼拝堂の直ぐ前に在るように見えますが、実際はかなり離れたところ、身廊の中心近くに吊り下げられていた筈です。

身廊中央辺りすら、入口方向を見る


正面ファサードの円形ステンドグラス

右側廊の奥からの見上げ
歪んだ写真になってしまいましたが、身廊と側廊天井の交差ボールトの様子が良くわかります。

側廊の壁に並ぶ絵画

この教会の絵画の中で、一番有名なのは、左側廊の中央辺りにありました。

聖三位一体 マザッチョ作 1426~1428年
マザッチオは初期ルネッサンスを代表する1人で、絵画に初めて遠近法を用いたと言われる、マザッチオの代表作の1つです。
遠近法を発見した建築家ブルネッレスキの協力があったと推測されています。

身廊、入口横の壁

翼廊
右翼廊から、左翼廊を見る。
左翼廊最奥に見えているのは、マントヴァのストロッツィ礼拝堂
中央礼拝堂の両側、翼廊に並ぶ礼拝堂にも、美しい美術品が一杯です。

バルディ礼拝堂 右翼廊

ロザリオの聖母 ヴァザーリ作

フィリポ・ストロッツィ礼拝堂 右翼廊奥
ステンドグラス フィリピーノ・リッピ作
左壁 ドルジアーナを蘇生する使徒ヨハネ
右壁 ヒエラポリスのマルス神殿の使徒フィリポ
ステンドグラス下の墓は フィリポ・ストロッツィの墓
教会を出て隣接する回廊へ。

緑に覆われたこの回廊は、緑の回廊 と呼ばれ、その壁面はパオロ・ウッチェッロ等、15世紀の画家達による聖書からの物語 創世記 のフレスコ画が描かれています。
右奥に、大回廊への入り口が見えていますが、大回廊 は憲兵学校なので入場出来ません。




スペイン人礼拝堂
中庭に面するこの礼拝堂は、壁・天井一杯に ボナイウート作のフレスコ画 が描かれています。
もともとは聖堂参事会員室として1350年に建設されたもので、フィレンツェ大公国のコジモ1世の妃である エレオノーラ・ディ・トレド の随臣たち専用の礼拝堂として使用されたため、この名称になっています。

礼拝堂奥の祭壇

天井画は キリストの昇天

そろそろ電車に乗る時間が近付いてきました。 建物を出て教会前の広場を見る。

サンタ・マリア・ノヴェッラ広場

サンタ・マリア・ノヴェッラ広場から、ホテルに戻る為、美しいゴシック風の尖頭アーチの塀を見ながら、アヴェッリ通りを通って駅方面へ。
この後は、ヴェネチアへ向かいます。
スポンサーサイト