13世紀前半に、ヴェネツィアにやって来たフランチェスコ会の修道士達は、この地にサンタ・マリア・フラーリ教会を建築します。
しかし、直ぐにサンタ・マリア・フラーリ教会だけでは、フランチェスコ会の教えに共感する民衆を収容しきれなくなり、1340年頃から新教会の建築が始まり、約100年の歳月を費やして、1433年に サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂 を完成させたのです。

聖堂の平面はラテン十字型の三廊式で、側廊には、7つの礼拝堂が配されています。
12本の円柱が支える交差ヴォールトの身廊の先には、壁に囲まれた聖歌隊席が在り、中央に見えるアーチのその奥には、ティッツィアーノの絵画が見えます。
聖堂の壁は煉瓦積みで、床はピンク肌色と白大理石のチェック柄。
様式はロネスク様式とゴシック様式が合体したヴェネツィア・ゴシック様式と言えるでしょう。


柱の頭部を繋ぐ木梁は、補強の為に設置されたもなのでしょうか?
今回のイタリア旅行で訪れた教会では、他では見なかったものですが、かえってこの教会の特徴になっている気がします。

聖歌隊席を囲む大理石の彫刻 1475年
ブロンズの十字架像 アンドレア・ヴェロッキオ作
聖歌隊席を囲む壁は、大理石のレリーフや聖人たちの彫像で飾られ、正面入り口のアーチ上には、ブロンズの十字架像が載っています。

聖歌隊席内壁の木彫り彫刻 マルコ・コッツィ作 1468年
大理石壁の内側は、一転して木彫りの彫刻です。
聖歌隊席の上段には、木彫りのパネル50枚が嵌め込まれています。

再び、主祭壇に目を戻しましょう。

聖歌隊席から主祭壇を見る。
半円形に突き出した後陣は、ゴシック様式の縦長のステンドグラスから光が降り注ぐ神秘的な空間です。

光の中心には ティッツィアーノ作 の 聖母被昇天 が鎮座します。
この教会全体が、ティッツィアーノの最高傑作を展示する為に造ったのかと思える程の舞台設定です。

聖母被昇天 ティッチアーノ作 1518年
完成に2年かかった大作で、躍動的な三階層の構図と色彩構成が、ティツィアーノをローマ以北でもっとも傑出した画家の一人という評価を定着させたティツィアーノ代表作。

左袖廊から中央交差部越しに右袖廊方向を見る

聖マルコ礼拝堂

祭壇画 バルトロメオ・ヴィヴァリーニ作 1474年

左側廊 ペーザロ家祭壇 ( 奥の祭壇 )

聖会話とペーザロ家の寄進者たち ティッツィアーノ作 1519 - 1526年

左側廊中程

ドージェ ( 1658年~1659年在職 ) ジョヴァンニ・ペーザロの記念碑 1699年
バルダッサーレ・ロンゲーナデザイン
メルキオーレ・バルテル、ベルナルド・ファルコーネ作
ヴェネツィア・バロック様式の代表作の一つ。

右側廊中程


右側廊中程

ティツィアーノの記念碑 ( 廟墓 ) アントニオ・カノーヴァ作 新古典様式
カノーヴァはティツィアーノ の弟子。

聖具室

聖遺物の祭壇 17世紀 バロック様式
中には、キリストの体から採取したと言われているキリストの血が納められています。
左のレリーフは キリストの十字架磔刑、右は十字架降下、下はキリストの埋葬 の場面を描いています。
黄金の天使の彫像も目を引きます。

身廊中程から、入口方向をみる。
この後は、水上バスでサン・マルコ広場へ戻り、辺りを散策がてらお土産を探しです。
※ この記事内の説明文は「Wikipedia」 「週刊ユネスコ 世界遺産 ヴェネツィアとその潟」 「21世紀シリーズ ヴェネツィア」 「北イタリア美術めぐり」等を参考または参照にしています。
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