美しい邸宅が建ち並ぶカナル・グランデで沿岸の建物の中でも、最も美しい と言われる カ・ドーロ ( 黄金の館 ) の正式名称は パラッツォ・サンタ・ソフィア ( 聖ソフィア宮殿 ) 、かつては外壁に金箔が施されていたことから、カ・ドーロ ( 黄金の館 ) と呼ばれています。

設計はジョヴァンニ・ボン、バルトロメオ・ボン親子 1428-1430年建設
ドージェ ( 元首 ) を8人も輩出した名門、コンスターニ家の邸宅として建てられました。

この写真は、晴れていた前日に撮った写真です。
建物正面のデザインは、左側の3/5程の範囲と右側の2/5程の範囲に分かれています。

先ずは、左側3/5の範囲のデザインを見てみましょう。
カナル・グランデに直接面する1階の床レベルは水面ギリギリ、中央の半円アーチは、両側の二つづつの尖頭アーチよりもやや幅広です。
2階と3階共に、奥行の深いロッジアがあり、壁線には、ややデザインの異なる美しい四つ葉状柱頭の装飾が施され、ロッジアの直ぐ両側には、2階は四つ葉模様のトレーサリー窓が、3階にはオジーアーチ窓が開けられています。
壁の多い右側2/5は、1階から3階まで通して、左右にオジーアーチ窓を配し、壁の中心には縁取りのある正方形の窓を開けています。
各階のオジーアーチ窓の開口面積は同じ位に見えますが、デザインは各々異なります。
また、最上部のパラペットに施された、王冠の飾りの様とも、レースの様な装飾とも言われる装飾が、この建物の繊細で優美な美しさを際立たせています。

3階のオジーアーチ窓。
良く見ると、窓周りの装飾や大理石で造られた式台の何とも美しいこと。

2階は何故か左右でトレーサリーのデザインが異なっています。
上下階ののものより、2階の正方形窓だけは大き目です。
壁の大理石の石肌も美しい。

1階は上部にオジーアーチ窓、下部に正方形窓を施した複合窓。

さあ、下船して早速 カ・ドーロ を見学します。

入り口前に置かれたプランターも柱頭の様です。

入口を一歩入ると、美しいモザイクタイル張りの床が広がっています。
入口付近から、カナル・グランデ方向を見る。

左側に中庭が見えています。

カナル・グランデに面する玄関辺りから、入って来た入口方向を見る。


今回のイタリア旅行では、多くの美しい教会や宮殿の床を見て来ましたが、ここまで美しい床は、パンティオンかテンピエットの大理石の床位だと思います。
モザイクタイル貼りと書きましたが、色大理石とタイルを使っているようです。

美しいのは床だけではありません。
壁は2種類の大理石を市松風に貼ったものの様です。



中庭を見る

この木製の扉から、カ・ドーロ停留所に繋がる路地に出ることが出来ます。

中庭の中央にも柱頭の様なプランターが置かれています。

中庭からカ・ドーロ停留所に続く路地に出られる木戸を路地側から見る。
正方形の穴から、中庭を覗くことが出来ます。

19世紀に階段と中庭を見下ろすバルコニーは取り壊されてしまいましたが、1922年に当時の所有者であったジョルジョ・フランケッティ男爵から国に譲渡され、大々的な修復が行われ、階段の再建も行われました。
( 改修工事はジョルジョ・フランケッティ男爵が所有していた時に行われたとする資料もあります。)



1階の床は水面ギリギリと書きましたが、この時は床は水に浸かっていました。

3階のロッジア

3階のロッジアから、カナル・グランデを見る。
かなり霧が晴れてきたようで、青空も見えて来ました。


建物内部の木製階段

この見事な階段は、元はアニェッロ家にあったものです。

親柱の彫刻はかなり傷んでいますが、ライオンでしょうか?

フランケッティ男爵の美術コレクション寄贈され、現在はフラッケン美術館となっていて、カルパッチョやティッツィアーノ等の絵画が展示されています。






残念ながら、絵画個々の詳細は調べられていません。
カ・ドーロ停留所に戻り、水上バスでサン・マルコ広場へ向かいます。
※ この記事内の説明文は「Wikipedia」 「週刊ユネスコ 世界遺産 ヴェネツィアとその潟」 等を参考または参照にしています。
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