地元では、わざわざ 会津さざえ堂 などとは呼ばず、単に さざえ堂 と呼ばれていますが、群馬県太田市、茨城県取手市、青森県弘前市などにも、堂内が螺旋構造の廻廊となった、やはりさざえ堂とよばれる、似た構造の建築様式で造られたお堂があるので、会津さざえ堂 として紹介します。

会津さざえ堂 正式名称:円通三匝堂( えんつうさんそうどう )
建立者 / 郁堂 ( いくどう )
建築年 / 1796年( 寛政8年 )
所在地 / 会津若松市一箕町八幡弁天下1404
国重要文化財 平成7年指定( 重要文化財指定名称は「 旧正宗寺三匝堂 」)

テレビ紹介されているのを見る度に、是非来てみたと思っていたお堂ですが、生憎の雨空で、どれも暗い写真になってしまいました。

一辺3.4メートルの六角形の平面構成なので、当然銅板葺の屋根も六角形。
建物周囲に建てられた6本の側柱は全て通し柱です。
正面の入口には唐破風造りの向拝が設けられています。

内部の床には平らな部分は有りません。
堂内に入ると、直ぐに斜路の廻廊が始まります。
廻廊の内側にも6本の通し柱が建てられ、側柱との間には繋梁が架けられ廻廊を支ています。

内部は二重螺旋構造になっていて、先ずは時計回りに斜路を上って最上階を目指します。

かつては壁の窪みの部分に三十三観音が置かれていて、堂内を巡るだけで巡礼が叶う構造となっていましたが、明治初期の廃仏毀釈で廃寺となった際に、三十三観音像は他の場所に移されました。

廻廊には上りと下りの斜路を繋ぐ経路が設けられています。

最上部に到着しました。

最上部の天井は折上げ鏡天井。

この太鼓橋風の橋を渡ると、後は下りの廻廊です。


ここからは、反時計回りの下りの斜路が始まりです。
御覧のように、廻廊は二重螺旋構造の斜路になっていて、右回りに上る斜路と左回りに下りる斜路が別々に存在しているので、入口から斜路を最上階まで上り、他の参拝者と擦れ違うことなく、出口を出ることが出来るのです。

かつては三十三観音が置かれていた壁の窪みには、今は代わりに皇朝二十四孝の額が取り付けられています。



最後に唐破風の向拝を支える柱に巻き付く龍の彫刻です。
スポンサーサイト