国際大学都市 には スイス学生会館 の他にも ル・コルビジュエ が設計した学生会館が在ります。
ブラジル学生会館
設計者 / ル・コルビジュエ
建築年 / 1959年
所在地 / パリ14区国際大学都市内
スイス学生会館 の完成後30年近い歳月を経ての完成です。
プラン構成は スイス学生会館 の物を踏襲していますが、鉄骨フレームの軽やかなイメージの スイス学生会館 に対し、コンクリートの醸し出す重厚なイメージの建築です。
西側立面は
スイス学生会館 の北側立面の構成を踏襲しています。
低層の付属棟は スイス学生会館 と同様の荒々しい野積みのです。
派手な原色に近い黄色や赤の着色は、30年前には見られない点でしょうか?
建物の規模の違いからでしょうか、ホールのある低層の付属棟は広めに計画されているようです。
鉄骨フレームで組まれた鳥籠のような軽い上総階を、やや不安定に見えながらも軽々と持ち上げているような印象の スイス学生会館 に対し、ブラジル学生会館 では太い3本のコンクリートの梁の上に乗せた重たいコンクリートの塊りを、まるで高速道路の橋脚の様な柱が支えています。
柱と言うよりは壁と言っていいでしょう。
この建物もコンクリートの状態は非常に良好です。
やはり高速道路の橋脚の様に見えます。
バルコニー側 ( 東側 ) の立面は一部が着色されたコンクリート打ち放し仕上。
鉄骨フレームの スイス学生会館 とは全く異なる印象です。
この立面は第二次世界大戦後の1940年代後半から計画が始まり、50年代にマルセイユやベルリンをはじめとし、フランス各地で実現された ユニテ・ダビタシオン を彷彿させるデザインです。
通常のレンズでは建物全体が撮れなかったので、ゆがみは出ますが高角レンズでも撮ってみした。
ブラジル学生会館 にはバルコニー側にも一部2階建ての低層の付属棟が在ります。
こちらの付属棟には図書室、館長室、秘書室の他に館長用の住宅があるようです。
この部分は館長用の住宅です。
1階ホール
天井はコンクリートの打ち放し仕上げ。天井高は決して高いとは言えないものですが、梁型などの出っ張りが一切ないオールフラットなデザイン。
壁は一切なくフラットな天井は黄色や緑や青に着色された円柱のみに支えられているので、明るくて開放的な空間が出来上がっています。
中庭に置かれたオブジェが コルビジュエ に関係があるかは不明です。