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アクトデザイン凛太郎のブログ

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パリ旅行記 - 19 ( 二日目 ) サン・トゥスタッシュ教会

ル・ランシーの散策を終え、トラムとRER-B線を乗り継ぎ、シャトレ・レ・アル駅にやって来ました。

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シャトレ・レ・アル駅は3本のRER線と1本のメトロ交差する大きな駅で、ショッピングとも一体化していて、巨大な鉄とガラスの屋根に覆われています。

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レ・アル駅前に広がる緑地はネルソンマンデラ公園。次の目的地は公園の北側に接して建つ教会です。

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サン・トゥスタッシュ教会

沢山のステンドグラスフライングバットレスが施された、見るからにゴシック様式と思われる サン・トゥスタッシュ教会 は、パリのノートルダム大聖堂 の平面を意識したと言われるラテン十字型の教会です。

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南 側面ファサード

一見しただけではどこが正面なのか分かりませんでしたが、向かって左側が正面のようです。

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西側正面ファサード

鐘塔ノートルダム大聖堂 の様な高さが無く、一層はドリス式、二層はイオニア式オーダー柱ペディメント ( 三角の破風 ) を支えています。

このデザインはゴシック様式とは思えません。調べてみるとこの教会は、16世紀になってもゴシックの伝統が根強く支配していたフランスの教会建築において、この時期イタリアから入って来たルネッサンス様式の影響を受けた珍しい教会だと分かりました。

着工は1532年。1637年に献堂式が行われました。ファサードは構造上の問題で一度取り壊され、現在のファサードは ジャン・アルドゥアン=マンサール が設計し、1754年に完成しています。

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言われてみれば、側面の一層二層の開口部は、ゴシック建築の特徴である尖頭アーチではなく、半円アーチで造られています。

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教会建築の事を詳しく知らないと、正面の入り口に思えるかもしれないこの立面。一見しただけではゴシックに見えるんですけどね。

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東 ( 内陣 ) 側立面

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ドリス式の柱頭にガーゴイルが巧みに融合されています。

いよいよ聖堂の中に入ります。入場口が教会の正面ではなく、内陣の斜め後ろの周歩廊からだった為に、聖堂中に入っても、暫く聖堂の全体像が把握出来ずに戸惑いました。

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 正面からの入場なら、奥正面に内陣が見えるところですが、いきなり林立する太い列柱に視線を塞がれてしまい、イタリアで見て来た教会のイメージとはかなり異質に感じます。

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奥行き100m、幅44m、高さ39m。

ラテン十字型-五廊式 の教会堂です。 

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 アプス 真後ろの祭室   3つ上の写真の室内側にあたります。

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ステンドグラスのアップ

左へ移動 祭壇 右斜め後ろには

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 ジャン・バティスト・コルベールの墓廟  コワズヴォー作

棺の上にはコルベール自身の像が載っています。左右の像は「忠誠」と 「豊穣」

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後方のステンドグラスのアップ

入場口から周歩廊を反時計回り進み側廊を見る。

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 聖堂の平面構成はラテン十字型-五廊式なので柱が多く、その太さもあって間隔が狭く感じられ、見通しが効かず、なかなか全体像が掴めません。写真は正面入口に向かって右側、内側の側廊から撮ったもの。

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 同じ場所から身廊の天井を撮る。

交差するリブ・ヴォールトが蜘蛛の巣の様も、樹木の枝の様にも見えます。クリアストリーステンドグラスから光が降り注ぎ、聖堂に神秘的な雰囲気を作り出しています。

アーケードクリアストリーの間に見える4連の半円アーチの開口部をトリヴューン ( ギャラリー) と言います。

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 同じ場所から、外側の側廊を撮る。

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④ 

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 身廊内陣、左右の翼廊が交わる部部分 ( 中央交差部-クロッシング ) からアプスの天井を見る。 

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 視線を少し下へ移動して内陣方向を見る

中央交差部に立っても、それ程広々とした感じがしません。高い天井を支える為に、柱が太く造られているからでしょうか? 実際に身廊の幅が狭いようにも見えます。15m程でしょうか?

この森の中に居るかのような感覚が、ゴシック様式の聖堂の特徴なのかもしれません。代表的ゴシック様式である ノートルダム大聖堂 の見学が出来ないことが本当に残念です。

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 中央交差部から、 南側翼廊 (ネルソンマンデラ公園方向 ) を見る。

公園から見えたバラ窓が見えます。 

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 中央交差部から、身廊 ( 教会正面・西方向 ) を見る

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 正面入口の上部に設置された8000本のパイプを持つパイプオルガンは、屈指の名器と言われているそうです。 

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 中央交差部から、北側翼廊を見る。

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バラ窓のステンドグラスのアップ 

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 ゴシック様式では通常は尖頭アーチとなるところですが、この教会堂では半円アーチリブ・ヴォールトが用いられています。

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 まるで深い森の中に居るかの様な感覚です。 

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 この聖堂の内部は、ステンドグラスもさることながら、林立する列柱の存在感が圧巻です。 

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⑨  ゴシック建築の特徴の一つにピアと呼ばれる細い円柱を束ねた様な柱 ( 束ね柱 ) があります。ここではピアを形成する細い円柱となるところに、コリント式のオーダーが施されています。

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 外側の側廊には、柱間に鮮やかな絵画や彫刻で飾られています。 

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 祭壇 左斜め後ろ

並ぶことも無く見学出来る教会ですが、ノートルダム大聖堂 が改修工事中で内部の見学が出来ない今は、訪れる価値はあると思います。

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  1. 2020/04/28(火) 19:00:00|
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