シャイヨー宮 内の 建築・文化財博物館 の三回目は、ル・コルビジュエ の 代表作であり代名詞と言っても過言ではない
ユニテ・ダビタシオン の実物大住戸再現模型を見学します。
先ずは全体模型からヨーロッパ各地に建てられた ユニテ・ダビタシオン かと思いましたが、どれもマルセイユの模型の様です。
長手方向に二つに切った構造体フレーム模型
ピロティ部分の彫刻的なコンクリート打ち放し部分が有名ですが手持ちの資料から
現場打ちのコンクリート打ち放しなのはこの基壇部分だけで、上階の住居部は鉄骨のフレームにプレキャストコンクリートを取り付けたものです。
ユニテ・ダビタシオン はこの1952年にマルセイユに完成したものが一番有名ですが、フランス国内ではナント、モー。西ドイツのベルリンにも建てられました。
中廊下を中心に、メゾネットタイプ住戸が配置されています。三層で一本の中廊下で構成されている訳です。
1945年に第二次世界大戦後の、不足する住宅問題を解決する為、フランス政府から依頼された実験的な集合住宅で、大地から切り離された住居単位はピロティーにより持ち上げられ、商店街や幼稚園や娯楽施設なども含くみ、1600人生活に必要な施設を併設した一つの都市を構成しています。
屋上には託児室、幼稚園、幼児用プール等の子供用の施設の他、体育館、日光浴室、更衣室、ステージ、トラック等の大人の為の施設も備えられ、まるで彫刻の様にデザインされた排気口やエレベータータワー等のコンクリートの造形物が並んでいます。
以下の6枚の写真はストリート・ビューから排気塔と体育館、屋上の周囲はトラックです。
子供用プールとその上は託児所
スーパーやホテルの在るフロアー。 住居部の廊下は中廊下で日差しは入りません。この階の廊下は日差しの入る無唯一の廊下です。
建築・文化財博物館の実物大模型に戻ります。住居単位の一住戸を実物大に再現しています。マルセイユニテ・ダビタシオンは単身者用から4人家族用まで、23タイプの337戸から構成されているのです。
廊下の再現部。 左右に玄関があります。住戸が再現されているのは左側の赤い玄関の住戸。
早速中に入ってみましょう。
玄関から入ると、左手にキッチンスペースが、奥にはリビング・ダイニング越しにバルコニーが見えます。
リビング・ダイニングからバルコニーを見る。二層吹き抜けの気持ちの良い空間です。
吹抜けの上部は主寝室。単純なデザインながら、階段のデザインが素敵です。
ダイニングテーブルの奥に、キッチンとを仕切る対面カウンターもカラフルなデザインです。
次回はキッチンと上階のプライベート・スペースを紹介します。