昨日、千駄ヶ谷の新国立競技場に、ラクビー大学選手権決勝戦 早稲田大学 vs 天理大学 を観戦して来ました。
昨年の10月に、JR千駄ヶ谷駅から東京メトロ 外苑前駅 迄散策した際に、外観だけは見学したことはありましたが、コロナさえ無ければ、東京オリンピックが終了して2ヶ月も過ぎている時期にも関わらず、何故か新国立競技場の周りの仮囲いは撤去される事は無く、まるで工事中の様な状態でした。
天気が悪かったせいもあり、デザイン上の売り物である木や植栽の緑の見栄えは今一です。法隆寺五重塔をモチーフにしたデザインだと聞いた覚えがありますが、この部分の外観は確かに5層に見えますが、五重塔には見えないですね。
仮囲いを撤去しないのは、今年のオリンピック開催を見越してのテロ対策課か何かなのでしょうか?
スノコ状に軒天に取り付けられた木材は、想像していたよりも小さな断面の部材の様で、残念ながら取って付けた感は否めません。
塗装の為に木の部分が少し灰色がかっているように見えます。完成直後にも関わらず、木部の色の変色が始まっている訳では無いようです。
テレビで良く見る五輪のオブジェは競技場の南側、ジャパンスポーツオリンピックスクエアの前の広場に在りました。
五輪のオブジェの他にも、この広場には
近代オリンピックの創始者 ピエール・ド・クーペルタン
第18回 1964年 東京オリンピック競技大会 聖火台
第11回 1972年 札幌オリンピック競技大会 聖火台
18回 1998年 長野オリンピック競技大会 聖火台
ここからは昨日 2021年1月11日の大学ラクビー選手権決勝戦の新国立競技場の風景です。
スタンドは3層式。座席は3階席だったので、ラクビーを観戦するには少し遠目になりますが、スタジアムを見るには特等席かも知れません。
フィールドを囲むスタジアムは地下2階・地上5階建て。広さは約350m×約260mです。
カラマツと杉の木材が屋根トラスの下弦材の鉄骨を被覆するように取り付けられ、ラチス材の下側にも取り付けられています。
鉄骨のジョイント部分は露出されているので、やはり取って付けた感は否めません。コストを抑える為にほぼ同断面の部材を使用したそうですが、先端部が重々しくなってしまい、構造的な安定感や構造美が損なわれてしまっている気もします。
昨日の決勝戦は最大60,000人収容可能なスタジアムですが、コロナの影響で昨日の観客数は17,000人でした。スタンドの空席が目立たないのは、木漏れ日をイメージしたアースカラーをモザイク状にマバラに配置しているからです。
アップにすると、このエリアは9割程が空席な事が分かります。
芝生の緑も綺麗に整備されています。
ハーフタイムには、一昨年のラクビーワールドカップのマスコットも登場しました。
結果は天理大学の圧勝でしたが、楽しく観戦させてもらいました。
スノコ状の木材の裏側には、鳥が侵入するのを防ぐ為でしょうか? ネットが張られているようです。
未だに工事用の仮囲いや仮設用のプレファブ事務所が置かれたままです。
設計者 / 隈研吾
建築年 / 2019年
所在地 / 東京都新宿区霞ヶ丘町10-1