日光の世界遺産と言えば、何と言っても 徳川家康 を祀る 日光東照宮 が有名でしょう。
私が小学校の修学旅行の行先は日光でしたが、日光東照宮 ( 特に 陽明門 や 眠り猫 ) は覚えていますが、輪王寺 を知ったのは割と最近の事で修学旅行の時に、輪王寺 を見学したかどうかも覚えていません。
これから紹介する 輪王寺・大猷院 は、三代将軍徳川家光 の霊廟であり、東照宮 に隣接し、東照宮 と見紛う程の豪華絢爛な装飾が施され、世界遺産 であるにも関わらず、東照宮 と比べると訪れる人は少ないのが不思議な気がします。
輪王寺・大猷院 の最大の見所は、仁王門、二天門、夜叉門、唐門、皇嘉門 の5つの門。
東照宮 とは趣が違うらしいので、じっくりと見学したいと思います。
先ずは、最初の門である 仁王門 の手前に在る二棟の御堂から。
右奥に 法華堂 が見えています。
創建年 / 848年 ( 嘉祥元年 )
再建年 / 1649年 ( 慶安2年 )
様式・型式 / 和洋、向拝付 宝形屋根
屋根 / 銅板葺き-宝形屋根
重要文化財 ( 1944年指定 )
円仁 は 比叡山延暦寺・にない堂 を模して、阿弥陀如来 を本尊とする 常行堂 と 普賢菩薩 を本尊とする 法華堂 の2棟の御堂を 渡郎 で繋ぐことにより「 法華と念仏が一体である と言う比叡山の教えを体現した」と言われています。
創建年 / 1649年 ( 慶安2年 )
様式・型式 / 前後軒唐破風付 切妻屋根
屋根 / 銅板葺き-切妻屋根
重要文化財 ( 1944年指定 )
法華堂 の 法華 とは、仏の周りを歩いたり座禅をしたりする「法華三昧」と言う修行をするお堂であることから名付けられました。
創建年 / 1100年代 ( 平安時代後期 )
再建年 / 1649年 ( 慶安2年 )
様式・型式 / 唐様 ( 禅宗様 )、向拝付 宝形屋根
屋根 / 銅板葺き-宝形屋根
重要文化財 ( 1944年指定 )
常行堂 と 法華堂 の 建築様式 は
常行堂 = 純和風
法華堂 = 純唐様 ( 禅宗様 ) と記しました。
「法華堂 の造りは、屋根に強い反りのある 純唐様 ( 禅宗様 ) 」と記された資料がありましたが、外観からはどちらの御堂も反りがあり、私には違いが分かりませんでした。
ここまでは無料見学出来るところでしたが、以降は有料のエリアに入ります。
仁王門 を潜る前に、この辺りの燈籠や石橋や石垣と、それに生える苔を撮ってみました。
いよいよ 仁王門 に至る、最初の石段を登ります。
仁王門
仁王門 は 日光輪王寺・大猷院 の正門で、1653年の 大猷院 造営の際に建てられました。
創建年 / 1653年 ( 承応2年 )
様式 / 八脚門
屋根 / 両妻流破風造り・銅瓦葺き
重要文化財
門を潜ると、左右の 仁王像 が出迎えてくれます。
左右2体の 仁王像 が置かれていることから、仁王門 と呼ばれています。
密迹金剛力士 ( みっしゃくこんごうりきし )
向かって右側は、口を開けた 阿形 の 仁王像
那羅延金剛力士 ( ならえんこんごうりきし )
向かって左側は、口を開けた 吽形 の 仁王像
まさに「阿吽の呼吸」で門を守っています。
軒桁より下部は、朱色を基調とし
垂木等の軒裏部は、黒漆の黒を基調に金飾りが施されています。
各柱の頭部を守る、金に塗られた獅子の彫刻が眩しいです。
軒桁の上の 蟇股 に彫られているのは、何の彫刻でしょうか?