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アクトデザイン凛太郎のブログ

住まいのこと、ネコのこと、身の回りのこと、今思うことを綴っていきます

上野~浅草橋の看板建築

この写真は2年前に、上野~浅草橋~秋葉原まで歩いた時のもので、全ての建物が現存しているか如何かは解りません。

これらの建物は関東大震災後に建てられた木造の店舗併用住宅で、看板建築と呼ばれています。
不燃化の為にモルタルや銅版で仕上げられ、軒の出が無く、平坦な壁面に様々な装飾が施されているのが特徴で、建築評論家で建築家でも有る藤森照信氏の命名です。
看板建築-2
派手な装飾はありませんが、平坦な壁面や、仕上げの銅版に、看板建築の特徴が見られます。
看板建築-2の遠景
こちらは遠景。
右の建物も同じ造りですが、銅版の壁面が残っているのは左端のだけです。

看板建築-6
破風の半円のデザインなどは、正に看板建築と言えそうです。
2階部分の雨戸の戸袋は、スレート葺きでしょうか?
ちょっと右に傾いて見えるのが気になりますが、目の錯覚??

看板建築-4

看板建築-1
上の二棟は元は店舗だったと思われ、壁面は銅版の仕上げですが、看板建築の特徴である、壁面や破風部分の装飾はありません。藤森さんの「看板建築」を読み直してみましたが、普通の切妻や寄棟屋根の建物も、載っていませんでした。
ただ、上の建物は、雨戸の戸袋には、見るべき物があると思います。

看板建築-3.
この後は、モルタル仕上げの建物です。
流れる雲を表しているような、何所となく和風を感じさせる、壁面のデザインが面白いですね。

看板建築-5
1・2階部分は普通の建物と変わりません。 
たまたま上を見ていたので、パラペット部分のデザインに気が付きました。
もしかすると、銅版の上からリシンを吹付けたのかも知れません。

看板建築-7
柱型と、2階コーナーのアーチ庇ノミのシンプルな装飾です。

看板建築-8.j

看板建築-8の詳細
木造建築にしては、やや重厚な軒周りのデザインと、両サイドのアールの付いた柱も気になります。こうして改めて見ると、鉄筋コンクリート造なのかも知れません。

看板建築-9
このビルは勿論、看板建築ではありません。
同じ日に秋葉原で見付けました。面白いデザインなので載せておきます。

以前は上野や神田、神保町辺りには、沢山の看板建築が在りました。
何棟かが「江戸東京たてもの園」文字色に移築されています。
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テーマ:建物探訪 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/02/20(水) 15:21:40|
  2. 建物探訪
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

看板建築、確か、大学生のころはやりました。
神田や浅草周辺には、そのころには沢山看板建築がありあましたが、最近は大分減ってしまったのでしょうね。

最近の建物に比べると、銅板で表面を作るなど、材料や仕事が丁寧です。
そうしたものであれば、時間を越えて残ってもらいたくなります。
  1. 2008/02/20(水) 18:14:19 |
  2. URL |
  3. いさぶろう #-
  4. [ 編集]

いさぶろうさんへ

看板建築のファンは意外と多いみたいですよ。
僕らが学生の頃には、神田や神保町の辺りに行けば、沢山の看板建築があったはずなのに、あの頃は当たり前の日常風景として、見過ごしていました。
大切なものは、無くなってしまって初めて、その物の価値に気が付くものなのかも知れません。
  1. 2008/02/22(金) 12:26:05 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
  4. [ 編集]

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