これらの建物は関東大震災後に建てられた木造の店舗併用住宅で、看板建築と呼ばれています。
不燃化の為にモルタルや銅版で仕上げられ、軒の出が無く、平坦な壁面に様々な装飾が施されているのが特徴で、建築評論家で建築家でも有る藤森照信氏の命名です。

派手な装飾はありませんが、平坦な壁面や、仕上げの銅版に、看板建築の特徴が見られます。

こちらは遠景。
右の建物も同じ造りですが、銅版の壁面が残っているのは左端のだけです。

破風の半円のデザインなどは、正に看板建築と言えそうです。
2階部分の雨戸の戸袋は、スレート葺きでしょうか?
ちょっと右に傾いて見えるのが気になりますが、目の錯覚??


上の二棟は元は店舗だったと思われ、壁面は銅版の仕上げですが、看板建築の特徴である、壁面や破風部分の装飾はありません。藤森さんの「看板建築」を読み直してみましたが、普通の切妻や寄棟屋根の建物も、載っていませんでした。
ただ、上の建物は、雨戸の戸袋には、見るべき物があると思います。

この後は、モルタル仕上げの建物です。
流れる雲を表しているような、何所となく和風を感じさせる、壁面のデザインが面白いですね。

1・2階部分は普通の建物と変わりません。
たまたま上を見ていたので、パラペット部分のデザインに気が付きました。
もしかすると、銅版の上からリシンを吹付けたのかも知れません。

柱型と、2階コーナーのアーチ庇ノミのシンプルな装飾です。


木造建築にしては、やや重厚な軒周りのデザインと、両サイドのアールの付いた柱も気になります。こうして改めて見ると、鉄筋コンクリート造なのかも知れません。

このビルは勿論、看板建築ではありません。
同じ日に秋葉原で見付けました。面白いデザインなので載せておきます。
以前は上野や神田、神保町辺りには、沢山の看板建築が在りました。
何棟かが「江戸東京たてもの園」文字色に移築されています。
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