アクトデザイン凛太郎のブログ

住まいのこと、ネコのこと、身の回りのこと、今思うことを綴っていきます

廿世紀(にじゅうせいき)浴場

仕事で三ノ輪の「樋口一葉記念館」に行く用があったので、ネットで近所にいい建物はないかと検索してみると、この何とも不思議な銭湯を見つけました。
廿世紀浴場外観①
ネットの検索で既に去年の暮に銭湯を廃業しているのが分かっていたので、「もしかすると解体されているのでは」と心配していましたが、廿世紀浴場はまだちゃんと存在していました。

廿世紀浴場外観②.

廿世紀浴場外観③

廿世紀浴場外看板

開業は昭和4年(1929年)、他の銭湯が桃山様式風の社寺建築の様な外観の建物ばかりの中、この廿世紀浴場は洋風の外観もさることながら、廿世紀浴場と言う名前からも、他とは違う粋さを感じてしまいます。
Wikipediaによると「アールデコ銭湯と紹介されている事が多いが、むしろアメリカで流行していたスパニッシュ様式武田五一などの折衷的デザインに近い」とあります。
私もアールデコと言うよりは、無国籍で折衷的な臭いを強く感じます。廿世紀浴場のデザインは、松山の内子で見た内子キネマと同様な、形に囚われない伸びやかなデザインです。

廿世紀浴場正面

外観全体のシルエットの面白さだけでなく、各部分も見所満載です。

廿世紀浴場正面アーチ窓詳細
外観を特徴付けているアーチ窓のデザインも3種類あります。まずは入口横のアーチ窓
木枠の横桟の菱形の孔には、色ガラスでも埋め込まれていたのでしょうか?

廿世紀浴場正面2連窓
正面上部の2連窓。矩形の縦長窓と欄間部分の半円状のアーチ部分に分かれています。

廿世紀浴場側面4連窓
側壁上部の4連窓は欄間部分が壁にになっています。

廿世紀浴場外観④
東側の路地から側面を見たところ

正面入口上部の横長の嵌め殺し窓のガラスも見てください。
廿世紀浴場ガラス詳細
9分割されたガラスの4隅の部分。この市松模様のガラスは他では見たことがありません。

瓦詳細
屋根は金属の瓦棒葺きですが、外周の低層部だけはこの青い瓦が乗っています。瓦の下の紋様は、ラーメンの丼の模様に似てますね。

いったいこの廿世紀浴場は「洋風」?「和風」?「中華風」?
また、どの写真にも見られるスクラッチタイルもこの建物の特徴で、当時の多くの洋風建築(洋館)で良く使用されました。

この廿世紀浴場の在る日本堤吉原(昔は遊郭、今は・・・)の直ぐ近くです。この粋で遊び心の溢れるデザインの秘密は、そんな所にあるのかも知れません。
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テーマ:建物探訪 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/08/19(火) 15:48:01|
  2. 建物探訪
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:12

コメント

凄く凝ったデザインの建物ですね!
「銭湯」…ということを知らずに見ると、一体何の建物か分からないですが…。
土地柄、歴史を紐解いてみると、何やら色々出てきそうな建物ですね。

このような素晴らしい建物が簡単に取り壊されてしまうのは、本当に勿体無い気がします。
  1. 2008/08/25(月) 18:08:13 |
  2. URL |
  3. でれすけ #-
  4. [ 編集]

でれすけさんへ

建物全体のデザインもさることながら
珍しいガラスに驚かされました。
華僑ビルのタイルといい、廿世紀浴場のこのガラスといい
戦前の建築材料の手の込みようには、脱帽してしまいます。
  1. 2008/08/27(水) 12:04:41 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
  4. [ 編集]

廿世紀浴場いですね

 昨日たまたま友人の大学教員に同行を頼まれて
メトロの南千住駅から日本堤を通り、浅草に出て
神谷バーに寄りました。
 廿世紀浴場には寄れませんでした。
かつての「ドヤ街」は観光旅行者向けの安宿に
変身していました。
 駅前で外国人に予約してあるホテルの場所を
聞かれ同じ方向に歩くので案内をしました。
 クロアチアから来た科学者で名古屋で大会が
あり京都、奈良も見物、東京に来たということでした。
 一泊、2,500円のホテルに入っていきました。

 ぶらぶら歩くと、入り口や窓に味わいがある古い
旅館は数少ないながら残っていました。
 東武「浅草」駅もよくみると駅舎がレトロですね。
  1. 2008/09/13(土) 20:07:13 |
  2. URL |
  3. k #vFgFLAdo
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kさんへ

僕は社会人になってから、会社の都合で厚木と川越で数年暮らし、やはり数年府中で暮らした後、生まれ育った烏山に帰って来ました。考えてみると、行動範囲は東京の西側で、浅草や上野は時々出掛けはするものの、詳しくはありません。
ドヤ街も「あしたのジョー」で知っているくらいです。
古い味わいのある建物や街並みが残っているうちに、ぶらぶらと出掛けてみたいと思います。
  1. 2008/09/15(月) 13:27:15 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
  4. [ 編集]

日本堤から浅草

 私も大昔、ボランティアで数回顔を出した程度です。
9月12日の項に画像をアップしました。
http://yamanohon.exblog.jp/8615952/

 東京では反対側で生まれ育ったので、やはり通過者としての経験しかありません。
 育ったところの周辺も、まだ多少は古い建築物が残っています。
 友人がTBSテレビで早朝に放映される番組の「散歩人」の一人なのですが、昨年、散歩の「材料」提供、下見で案内をすると提案をしたのですが実現をしていません。
 私の原風景となる建物はネット上でいくつものブログで画像アップされています。
「高輪消防署二本榎出張所」で検索をするとレトロな画像が見られます。
 数年前、飛び込みで見学を頼んだところ内部をすぐに見せてくれました。
 ヤフー検索ではヒツトせず「グーグル」では多数ヒット
 こちらのブログが内部もきちっと撮影していました。
http://www.apc-jp.com/new/oldnew/001syoubou/index.html

 
  1. 2008/09/15(月) 18:31:55 |
  2. URL |
  3. k #vFgFLAdo
  4. [ 編集]

kさんへ

高輪消防署も松葉一清さん著の本だと思いますが、かなり以前に見たことがあります。
まだ残っているのなら是非見てみたい建物です。
  1. 2008/09/16(火) 02:11:05 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
  4. [ 編集]

消防望楼のある建物は「永久保存」

 見学対応のためだけに職員を置いているように
思います。
 20数年間、毎日のように消防望楼を見ました。
道路をはさんで反対側に住まいがあったので。
 今は超高層マンションの敷地の一部ですが…

 品川駅から徒歩で10分余りですが、その間に
著名な歴史的建築物や味わいのある木造住宅が
かなりあります。
 駅からホテルパシフィック(別の名か?)の右手の
道路を緩やかに上がると(この土地は薩摩藩の下屋敷跡地)
 高輪プリンスホテルの正面に出ますが「竹田宮邸」の一部
が現存。道なりに行くと味の素創業者の邸宅が食品博物館?

 プリンスホテルの下側に階段をおりると味のある木造住宅
シュロの樹木が階段沿いに植えられています。
 公園から東禅寺に向かい左手に築100年近い洋館が現役で使われています。
 高野山東京別院と東禅寺の間の狭い道をクネクネと進み
階段で自動車道路に出ると「松平邸」→「アラビア石油の社長邸」→証券会社の迎賓館か? と未だ敷地に入ったことはないのですが、歴史建築物が現存していると推測。
 その通りから望楼はすぐです。
 
 左手に進むと、島崎藤村も通ったという教会が大きな改装もされず現存。
 真っ直ぐ進むと明治学院大学内に記念館が確か二つ、現存。

http://yamanohon.exblog.jp/7782460/
 大正時代改訂の陸地測量図などを画像でアップしています。
  1. 2008/09/16(火) 18:18:01 |
  2. URL |
  3. k #vFgFLAdo
  4. [ 編集]

kさんへ

高輪消防署は永久保存と聞いて安心しました。
20年以上前に、高輪プリンスの近くの設計事務所で3ヶ月だけ勤めた事がありますが、あまりの忙しさで近くを散策する余裕は全く有りませんでした。
しばらくは忙しいのですが、そんなワクワクするような建物ばかり在るのなら 暇が出来たら散策に行きたいと思います。
貴重な情報を有難うございました。
  1. 2008/09/16(火) 22:37:31 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
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高輪エリアこだわりののサイト、ブログ

 面識ない他者のサイト紹介で気がひけますが、
ざっと検索をして個性あるサイトです。

桂坂、旧アラビア石油オーナー邸などに言及
http://gentle.air-nifty.com/wind2005/2006/06/post_d15c.html

 品川駅北エリアの「洋館」設計者のデータあり
http://www.zoukei.net/kantomain/takanawa.htm

港区など…
http://homepage2.nifty.com/youkan-tanbou/etc/0403.html



  1. 2008/09/17(水) 00:31:41 |
  2. URL |
  3. k #vFgFLAdo
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kさんへ

同じ建物を見ても人によって解釈や感じ方も違うので
皆さんのブログは単なる資料以上に面白みがありますね。
  1. 2008/09/17(水) 01:44:45 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
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高輪の洋館・補足

 この高輪公園の先の住宅地にある洋館は現役で貸しギャラリーなどで使用されているようです。「信じられない??」
 URLは運営会社のサイト、コンテンツにマップや図面あり

http://terminallounge.jp/contents/index_h.html
以下は同サイトのテキスト再引用
洋館の歴史
明治時代末期に建てられた和洋折衷の住宅である。
施主は徳川慶喜の医師を勤め、また三井家にも出入りしていたと伝えられる木村春東氏であった。
晩年の春東氏は印刷業や銘木商などの幅広い事業を展開し、八重洲に本邸と店を構えていたという。
高輪のこの住宅は、別邸として建てられたものである。材料を集めてこの家を建てるのに五年の歳月を有したと伝わる。
(出所:「港区の歴史的建造物」)

 味の素創業者邸は4,5年前に取り壊され塀だけが残っているとのこと。
  1. 2008/09/17(水) 15:37:23 |
  2. URL |
  3. k #vFgFLAdo
  4. [ 編集]

参考にさせていただきます

またしても、貴重な資料を有難うございました。
散策の際には、参考にさせていただきます。
  1. 2008/09/19(金) 12:00:42 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
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