看板建築に分類してもいい建物だとは思うのですが、藤森さんの「看板建築」にも記載はありません。
看板建築と言うと、すぐに銅板葺きの建物を思い浮かべると思いますが、この建物様にモルタルで壁面に凹凸を付け、色々なデザインを施したものや、タイル張りのものもあるのです。

1階のオーニングに「スダインテリアサービス」と書かれていますが、現在営業を行っているようには見えません。建物頭部にも「家具」と大きく書かれているところを見ると、戦前からの家業を、最近まで営まれていたことが窺えます。

看板建築の側面は、ほぼ例外なくこんな感じのトタン張りです。
隣家と隙間なく建てられているか、長屋風に数世帯が繋がっています。

「○○商店」などと、店名や屋号が掲げられているケースが殆どですが、この建物のように、職種を書いているものもあるようです。
看板建築とは、震災からの復興建物であり、隣家からの延焼され難くする目的で、防火性能を高める為に銅板やモルタルやタイルなどを、建物の壁面に施し、同時に道路側の正面に、商店の看板も兼ねたデザインを施した建物を言います。
当然主要道路沿いの、公共建築や大規模資本による規模の大きな建物は、ちょうど日本に取り入れられ始めていた、鉄筋コンクリート造で建てられたのですが、看板建築は中小商店様の防火建築と言えるでしょう。
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