
( 撮影 / 2008・11・22 )
タイル張りの建物で、老朽化したタイルの落下事故為に、ネットを張っている建物は良く見ますが、モルタル塗りの建物で、ネットを張っているのは珍しいと思います。
鳥が止まるような凸凹は無いので、時々マンション等で見られる鳩避けとも思えません。モルタルが剥がれて、落下しているのかもしれないです。
建物正面の装飾には、奥行きと言うか堀の深さは有りませんが、一口に看板建築と言ってしまうには、あまりにも本格的なデザインに思われます。
道路側だでなく、側面にも装飾の施された窓がある点も、普通の看板建築とは、一線を隔しています。

一橋大学の本館や図書館にも似た、ロマネスク様式を思わる正面のデザイン。
実はこの建物は散策中に偶然見付けたのですが、ネットで検索してみると、幾つかのH.Pで設計者は岡田信一郎と記されているのには、驚きました。
コンペの天才と言われ、スター建築家であった岡田信一郎が、はたして本当に、このような小規模の建物を設計したのかは疑問の残る所ですが、震災復興のドサクサに、ヨーロッパの様式建築の知識がなかった職方が、見よう見真似で造った建物とも思えません。
構造は一見するとRC造のようですが、建物の規模から考えると木造の可能性もあります。
不自然に分厚いケラバ部分は、もしかすると増築かもしれません。

軒周りを拡大してみると、軒飾りの存在と、不自然に分厚く上部に付けたされたような部分がわかります。
なんと側面にはハイサイドライトのような窓まで付いています。
やはり軒飾りの直ぐ上部の、20~30CM程度までが本来の破風部分であり、その上は増築されたのではないでしょうか?
最初の写真をもう一度見てください、樋の付き方があまりにも不自然で、増築説を裏付けています。
もし詳細を御存じの方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せください。
勿論、設計者や建築年、建物の構造等についての情報も大歓迎です。
追記 / 2010.6.13
岡田信一郎について、かなり専門的に記述した「近代建築ホームページ」の中に、「岡田信一郎の設計の建物発見?」と言う記事があり、旧村木商店についての記載がありました。
震災後活躍した「バラック装飾社の活動に触発されたのではないか? 」と言うことです。
詳しくは「近代建築ホームページ」の中の、「月刊 岡田信一郎」をご覧になってください。
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