先月の中頃、完成後、早く行ってみたかった
三菱一号館美術館へ行ってきました。
三菱一号館は1894年(明治27年)に、イギリス人建築家
ジョサイア・コンドルの設計により、三菱財閥が日本に初めて建設した
クイーン・アン様式による
洋風事務所建築です。
三菱系の銀行や貸事務所が入居し、東京駅前の丸の内において、永く近代日本の顔として異彩を放ち続けた
三菱一号館でしたが、老朽化を理由に1968年にあっけなく解体されてしまいました。
しかし今年春、
三菱一号館は、
コンドルの原設計や当時の写真、そして数多くの文献に基づき、解体時に保存しておいた階段手摺りや石材なども再利用して、40年の時を経て
三菱一号館美術館として再生されたのです。
赤煉瓦と
白御影石の取り合わせは、
コンドルの弟子に当たる、
辰野金吾の設計した東京駅に引き継がれています。
しかし
建設当時は日本唯一の洋風事務所建築であり、日本の近代化を象徴した
三菱一号館ですが
後ろに控える丸の内パークビルディングが、あまりにも巨大過ぎるからでしょうか ?
ゴジラに踏み潰される運命を待つ模型の様でもあり、何か悲哀を感じなくもありません。
三菱一号館美術館と高層棟の間には、緑の奇麗な小公園が造られて、ビジネスマンの憩いの場になっているようです。
昼休みにお弁当を食べる、OLさんの姿も見掛けるこの小公園には、彼方此方にアートなオブジェも置かれています。
高層棟を支える巨大な柱には、緑化も施されていますが、僕にはゴジラの足に見えてしまいます。
この錯覚は、二つの建物の、あまりのスケール感に違いのなせる技なのでしょうか?
美術館のレストランで昼食をとる予定だったのですが、8月は展示の入れ替えで休館だったので、内部は見学できず仕舞いになってしまいました。
今度はちゃんと調べてから、また行ってみたいと思います。
この日は台風の影響で雨が降ったり止んだりの空模様でしたが、御蔭で暑さも一休みでしたので、久しぶりに皇居へ行ってみることにしました。
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テーマ:建物探訪 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2010/09/15(水) 08:40:33|
- 建物探訪
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| コメント:3
久しぶりに「建築探偵の冒険」を読みまして、何度目かの再読なので読みたい章だけ拾い読みだったのですが、最後の渋沢栄一と兜町との関わりを書いた章を、今回とても面白く読みました。丸の内って個人的な関わりが全然ないので関心がなかったのですが、草創期の、依頼人と建築家の関わりを(ちょっとでも)知ると、俄然興味がわいてきますね。新旧の建物や、町全体を見ながら歩いてみたいなー、と機会はなさそうですが、思います。
- 2010/12/08(水) 15:02:58 |
- URL |
- 澤本奈緒 #-
- [ 編集]
「建築探偵の冒険」は僕も学生の頃に読んでいます。
確か買った筈なので。本棚のどこかにあると思いますよ。
でも専門書にかなり近い本ですから、文学部卒の奈緒さんが読んでいたとは驚きました。
今年はNHKの龍馬伝のおかげで、ちょっとした三菱ブームのようですので、この美術館や上野の旧岩崎邸にも是非行ってみてください。
- 2010/12/09(木) 01:56:23 |
- URL |
- 凛太郎 #-
- [ 編集]
邸宅(豪邸?)好きなので、いつか旧岩崎邸にも行ってみたいです。国分寺に、岩崎家の別邸だったところが、公園になっているのをご存知ですか?(庭園も好きなんです)ご参考までに。
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/outline036.html
「建築探偵の冒険」は、大好きな画家の安野光雅さんの装丁(文庫本)だったので買ったものです。素人にもわかりやすく、面白く書かれたもので、大切な蔵書になりました(文庫本ですけどね)。
- 2010/12/14(火) 12:51:16 |
- URL |
- 澤本奈緒 #-
- [ 編集]