アクトデザイン凛太郎のブログ

住まいのこと、ネコのこと、身の回りのこと、今思うことを綴っていきます

学士会館

神保町の交差点から、白山通りを2~3分南に歩くと、左手に学士会館、右手には共立女子大学が見えてきます。

学士会館①
近代建築散歩には設計は佐野利器 + 高橋貞太郎。 竣工は1928年(昭和3年)と記されています。
佐野利器は建築には構造こそが重要と明言して憚らない人であり、震災直後で、地震国日本での耐震設計の重要性が叫ばれる中、辰野金吾に代わり、日本建築界の中心的役割を担っていました。
佐野利器は1911年には建築学会誌に寄稿した「建築家の覚悟」の中で、既に日本における建築家像を「形や色の良し悪しは婦女子のなせる業にして、男子一生の仕事に非ず」と断じて、構造技術主義の重要性を宣言していました。
現在なら女性だけに関わらず、大ひんしゅくを買いそうな発言です。

学士会館②
そんな佐野利器の設計らしく、実に質実剛健と言った外観の建物です。

学士会館⑥
もう一人の設計者である高橋貞太郎は、東京帝大における佐野利器の教え子であり、日本橋高島屋前田侯爵邸(元東京都近代文学博物館)の設計者でもあります。
ウィキペディアを見ると、学士会館は1925年に行われた設計コンペによって高橋貞太郎に決まったと記されています。
この当時行われた多くの設計コンペのその後と同様に、コンペによって決定した高橋案を、佐野が顧問となって監修して実施設計を行ったのでしょう。

一層ごとに異なる窓のデザインと、最上階の二連のアーチの縦長窓に施された半円形に突き出した窓台が目に付きます。
1階部分は石張り。一階以外はスクラッチタイル貼りの重厚な外壁です。

学士会館⑤
エントランスの異常に分厚い縁取りのアーチも特徴的ですね。
ただ、道路からの距離が無さ過ぎて、エントランスに奥行きが無く、立面もかなり平面的です。

学士会館④
学士会館には不思議なことに、エントランスがもう一つ有るんです。
こちらのエントランスは、L字型の入隅部分なので長い車寄せのテントの庇も付いています。
車で来る人用のエントランスか?


一番上の写真をもう一度ご覧いただきたい。
2枚目3枚目の写真の4階建の部分と、写真左側の5階建ての部分の、外壁の色が若干違うように見えます。

     学士会館③
半円型の窓台や窓周りも飾りはあるものの、良く見るとこの5階建ての部分は窓のは1階~4階まで同じです。
もしかすると建て増しなのかも知れないですね。
今後詳しくは調べてみたいと思います。

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テーマ:建物探訪 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2010/12/23(木) 11:45:20|
  2. 建物探訪
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

この建物は、様式の追及にさほどこだわっていないためか、それでいてモダニズム建築とも異なるためか、むしろ後のポストモダン建築に通じる雰囲気を感じます。
今度じっくり見てこようと思います。
  1. 2011/09/19(月) 16:40:45 |
  2. URL |
  3. pulin #bcrgFSAk
  4. [ 編集]

pulinさんへ

言われてみると確かにポストモダンの建物に通ずるものがあるかもしれないですね。
僕は大した根拠がないので記事には書きませんでしたが、F.L.ライトの師匠に当たる、サリバンらのシカゴ派の建物に似ていると思っていました。
僕はこの近くの大学に通っていたので、懐かしさと神保町近辺の古本屋目当てに時々お茶の水には行っています。
次回はそのあたりの思いを胸に、じっくりと観察してきたいと思います。
  1. 2011/09/19(月) 22:25:04 |
  2. URL |
  3. 凛太郎 #-
  4. [ 編集]

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